「ぶっきらぼう」の意味
「ぶっきらぼう」の意味は、性格や態度に愛想がないことです。使用範囲が広く、表す程度には差があります。親しみや可愛げがないこと、丁寧さがなくてぞんざい、さらには人を寄せ付けなくて排他的という意味でも用いられます。
内気だったり感情を表すのが苦手なために「ぶっきらぼう」になる人もいます。傲慢な人や他人と関わりたくない気持ちでも「ぶっきらぼう」になるでしょう。結果として無愛想な態度になるだけで、理由は人それぞれです。
「ぶっきらぼう」の使い方
「ぶっきらぼう」は人の性格や態度・行動を説明する言葉であり、文法的には形容動詞として使われます。具体的には「彼はぶっきらぼうだ」「ぶっきらぼうに放り投げる」という使い方です。
例文
- たぶん照れ隠しだと思う。変に意識しているから、かえってぶっきらぼうになってるんじゃないかな?
- 帰ってきた返事はぶっきらぼうだったが、例の失敗からはだいぶ立ち直ったようだ。
- 彼は部屋に入ることなく、廊下からぶっきらぼうに「じゃあな」と一言挨拶して去っていった。
「ぶっきらぼう」の由来
元は「ぶっきりぼう」
「ぶっきらぼう」の由来は「ぶっきりぼう」と言われています。「ぶっきり」とは「ぶった切る」ことです。
ぶった切るの「ぶった」は仏様のことではなく、殴る方の「ぶつ」です。「たぎる」は「手切る」や「断ち切る」で、力任せに切り離すことを意味します。
「飴細工」説
では、「ぶっきりぼう」とはいったい何でしょうか?一説では飴細工ではないかと言われています。水あめを煮詰めて作った棒状の飴のことです。
小さくぶつ切りにされた無残な様子から、無情に切り捨てる冷たい態度を表すようになったそう。また、飴はどこを切っても形も味も同じなので、ステレオタイプで画一的な印象を与えるとも言われています。金太郎飴のようですね。
「木の棒」説
もう一つ、「ぶっきりぼう」が木の棒に由来するという説もあります。
例えば、木刀やスコップの柄はきちんとやすりがかけられていて、形も整っていますよね。一方、まき割りの「まき」のようなぶった切っただけの木の棒は武骨です。そこから、武骨で飾り気のないという意味になったとも言われています。
「ぶっきらぼう」の類語
すげない
無愛想な態度を表す言葉として「すげない」があげられます。漢字で書くと「素気無い」です。そう、「そっけない」とも読みますね。「すげない」は温かみやぬくもりのない態度、「そっけない」はぬくもり以前に興味関心がない態度です。
基本的に「すげなく」と活用して使うことが多いでしょう。「すげなく断る」「すげない返事」など。人の性格にはあまり使いません。その場合は「つれない」「よそよそしい」がより適切ですね。
けんもほろろ
「けんもほろろ」とは、冷淡でそっけないことです。特に、頼みごとをされた時に使います。相手の嘆願をまるで取り合わず、冷淡にはねつける態度です。
「けん」と「ほろろ」は雉(きじ)の鳴き声に由来しています。雉は『桃太郎』のお供の、あの鳥です。鳴き声が無愛想に聞こえたとのこと。また、「けん」は刃物の剣や「つっけんどん」「剣呑」にかけているとも言われています。
木で鼻を括る
「木で鼻を括(くく)る」とは、対応に愛想がない、冷たくあしらうことです。相手への応じ方、もてなし方について使うことが多いです。
元々は「木で鼻をこする」でした。紙が貴重品だった時代は木で鼻を拭くこともあったそうですが、木で鼻をこするのは痛いので、不機嫌そうな顔をする、やせ我慢するという意味を表しました。客人に紙を使わせない塩対応という意味であるとの説もあります。