「自暴自棄」とは?意味や使い方をご紹介

「自暴自棄になる」というような言い方をするときがあります。漢字をみると、自分が暴れたり自分を捨てたりするイメージを思い浮かべますが、具体的にはどういった状態のことなのでしょうか。ここでは、「自暴自棄」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 自暴自棄とは?
  2. どんな行動がみられるか
  3. 自暴自棄になっている人への対応法
  4. 「タナトス(死への誘惑)」と自暴自棄
  5. 生きたいという欲求が含まれている

自暴自棄とは?

「自暴自棄」とは、自分を傷つけたりやけくそになったりすることをいいます。身体的な自暴自棄は、自分の体に直接傷をつけるなどの自傷行為がみられ、精神的な自暴自棄は、自分を無価値な人間だと思い込み自身を傷つけたいという思考にとらわれている状態です。

心身相関という言葉があるように、身体面と精神面は密接なつながりがあります。つまり自身を傷つけたいという衝動を抱えていることによって、実際に身体に傷つけてしまうこともあります。また、過食や頭をかきむしるといった行為も、直接的に傷をつけているわけではありませんが、自暴自棄のときによくみられます。

どんな行動がみられるか

自暴自棄な人が「私はいま自暴自棄です」とは言わないことがほとんどなので、その人の言動によって判断します。先の項でも述べたように、自暴自棄とは「自傷したりやけくそになったりしている状態」のことなので、それらしい言動がみられるときには注意しましょう。

具体的には、リストカットなどの人為的な傷がみられる場合、過度の怒りから手あたり次第の物品を壊している場合、家族や友人などの大切な人を失って元気がない場合などに自暴自棄になっている可能性があります。その人の性格によっても違いがあり、内向的な人は過食や酒におぼれたり(直接的な傷をつけない)、攻撃的な人は八つ当たりや自傷をしたり(直接的な傷をつける)する傾向が現れやすいです。

自暴自棄になっている人への対応法

自暴自棄になるのには理由があります。自暴自棄になっている事実を指摘することも必要ですが、なぜ自暴自棄になっているのかを理解することが大切です。一言でいってしまえば「つらいことがあった」からなのですが、精神的な疾患をわずらっている場合もあります。単につらいことがあった人は一時的もしくは長くても数年以内でおさまることがほとんどですが、精神的な疾患をわずらっている人は自暴自棄な状態が長期化することがあります。

彼らには「精神的な疾患による不安定な状態」を緩和することが先決なので、より慎重な対応が求められます。こちらが何かを言うよりも聞き役に徹した方が効果的なことも多く、たとえ相手の発言が間違っていても口を挟むことは避けましょう。言い合いになったり刺激したりする恐れがあるためです。

「そうだね」や「なるほど」「つらかったね」といった相手に同調する相槌をまじえると、人は「この人は敵ではない」との認識がうまれ、精神の安定がうながされます。これはカウンセリングでも信頼関係を築くために活用されているテクニックです。

「タナトス(死への誘惑)」と自暴自棄

「タナトス(死への誘惑)」とは、精神科医であるジークムント・フロイトによって提唱された精神分析学用語です。簡潔にいうと、「人間は誰しも死にたいという欲動を秘めている」というものです。ふと危険なことをしてみたくなったり、無茶をしてみたくなったりしたことはみなさんにもあるでしょう。フロイトはそれを「間接的に死への欲動があるからだ」と言っています。

つまり、誰もが自暴自棄になる可能性を秘めているということです。その(死への)欲動は、つらいことがあったときにふと顔をのぞかせ、自傷ややけになるといったかたちで具現化します。

生きたいという欲求が含まれている

またフロイトは、人は「死への欲動」を秘めていると同時に「生への欲動」も秘めていると言っています。一見矛盾するようですが、実は両立しています。心理学では、「自分を傷つけるのは、生きていることを実感したいためである」とされているのです。自傷する人は刃物の痛みや流れる血液から生きていることを実感し、八つ当たりする人は注目されることで自分が生きていることを実感します。

また酒やタバコを大量に摂取する人は、いざ病気になると健康のありがたみを実感するでしょう。危険なことをした後は、無事であることに安堵するでしょう。このように、人は死への欲動と生への欲動を同時に秘めているのです。

したがって、もし自暴自棄になったときは悪い面ばかりみるのではなく「実は生きたいという欲求の現れなんだ」と省みるのもよいかもしれません。こうした心理的なメカニズムを知っておくことで、対処の幅もぐっと広がるでしょう。


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