「見繕う」とは?意味や使い方をご紹介

皆さんは普段、「見繕う」という言葉を使いますか?「身繕う」ではありませんよ?メニューやカタログなどを見ながら、適当なものを選ぶという意味です。ここでは「見繕う」という言葉を紹介します。意味や使い方、例文など順に紹介していきます。

目次

  1. 「見繕う」の読み方
  2. 「見繕う」の意味
  3. 「見繕う」の使い方
  4. 「見繕う」は失礼か
  5. 「見繕う」の類語

「見繕う」の読み方

「見繕う」は「みつくろう」と読みます。アクセントは「みつくろう」とつけます。

「見繕う」の意味

「見繕う」の本質的な意味は、限られた条件の下で物事を選び調えることです。物理的な制約や金銭的な都合、相手からの注文や要望などに適するように選ぶことに使います。

ただし、その選び方によって意味が多少異なります。それぞれ紹介しましょう。

適当に選ぶ

「見繕う」の一つ目の意味は適当に選んで調えることです。与えられた条件に適しているかどうかだけで判断し、条件内に収まっていればなんでも良いだろうという選び方です。良く言えば条件に忠実な選択、悪く言えばその場合わせのいい加減な選択といえます。

言われたことさえ守っていればよい、という考え方なので必ずしもベストなものを選んでいるとは限りません。たとえばお菓子を買ってきてといわれた場合、駄菓子一袋でもホールケーキ一台でも「見繕う」と言えます。

よく見て判断する

「見繕う」のもう一つの意味は、よく見て判断するです。適当にではなく、最適なものはどれか、じっくりと見て考えて判断することについて用いられます。

「繕う」は服に空いた穴などをぬい合わせること、言ってしまえば欠点をカバーすることです。「取り繕う」なんて言いますよね。そのように不備や欠点がないか、よく見て確かめるといった意味が込められています。

「見繕う」の使い方

「見繕う」がよく使われるのはお使いやメニューの注文の時です。誰かに一任する時、負担が重くならないように、「目的にあっていればあとは適当でいい」という意味でよく使われます。

「見繕う」は条件に合ったものをほどよく選ぶという意味での使用が多い言葉です。よく見て判断する、吟味するという意味もありますが、基本的には使われません。

見て確かめた上で熟考して選びました、という意味で「見繕いました」と言っても適当に選んだと誤解されてしまうかもしれません。誤解を避けたいならば後者の意味では使わない方がよいでしょう。

「見繕う」の使用例

  • 今日の午後にお客さんが来るから、お茶菓子をいくつか見繕って買ってきてちょうだい。お客さんに出せるような上生菓子、同じのを四つね。
  • 入院中の父が退屈で仕方がないから暇をつぶせるものを用意してくれと言っていた。父の本屋で父の読みそうな本を何冊か見繕い、病室に届けた。
  • 裏山では栗が旬を迎えていた。虫に食われたものもあるが、無事なものもある。良いものをいくつか見繕い、持って帰った。

「見繕う」は失礼か

「見繕う」という言葉は失礼ではないか、という意見があります。「見繕う」は雑で適当、そして上から目線に感じられるというのです。たしかに「見繕う」には悪い意味で適当という意味があります。そして目下の者に使う機会が多いのも事実です。

しかし、前出の通り「見繕う」には熟考の上で判断するという意味もあります。この場合には雑さも適当さもなく、真剣そのものですので、目上の相手にも使えます。

また、もし適当という意味であっても、相手の心理的負担を減らすための方便、という側面もあります。最善のものを選んでと言われるよりも、ある条件内に収まっていれば良いと言われる方が選ぶ方も気が楽でしょう。

相手にものを渡す時には失礼となりかねない

一方で、お土産ものやプレゼントを相手に渡す時に「見繕いました」と言うのは失礼となりかねません。「見繕う」はいい加減に選んだという意味が一般的です。たとえよく見て選んだとしても、雑に選んだと思われてしまうでしょう。

「見繕う」の類語

「見繕う」の類語として「見計らう(みはからう)」があります。「見繕う」と同じく、適当なものを選ぶという意味です。

ただし、物にしか使われない「見繕う」とは異なり、「見計らう」は時期やタイミングにも使えます。

「タイミングを見計らって電話をする」とは言えますが「タイミングを見繕って電話をする」とは言えません。「見計らう」の方が広い意味で使える言葉と言えますね。


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