「チェイサー」とは?意味や使い方をご紹介

居酒屋やバーで、日本酒やウィスキーなど強いお酒を飲んでいる時に、「チェイサー下さい」と言えば、水が出てくるでしょう。はたして、「チェイサー=水」というのは正しい認識なのでしょうか。こちらでは「チェイサー」の正しい意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「チェイサー」とは?
  2. 「チェイサー」は「水」?
  3. 「チェイサー」の使い方
  4. 日本と外国の違い
  5. そのほかの「チェイサー」

「チェイサー」とは?

「チェイサー」の意味

「チェイサー」には二つの意味がありますが、おもに2の意味で用いられます。ここでは2の意味の「チェイサー」を中心に、説明します。

  1. 追跡者・追っ手
  2. 強いお酒のすぐ後に飲む、水や軽い飲み物

1と2、どちらの意味の「チェイサー」も、英語の「chaser」に由来します。

「chaser」の意味

英語の「chaser」の意味は「追っ手」「追跡者」。「追う」「追いかける」を意味する「chase」に、「する人」を意味する「-er」がついて、できた言葉です。「chase」の語源は、古代ローマ帝国の共通語であるラテン語の ”captare(捕まえる)”にあります。

「カーチェイス(car chase)」は自動車の追跡劇のこと、「ストームチェイサー(storm chaser)」は竜巻を追跡して記録・観測する専門家のことですから、イメージも浮かびやすいでしょう。

また、「chaser」には「追跡者」から派生して、追いかけ回す人・マニアといった意味もあります。woman chaserならば女の尻を追い回す人、rainbow chaserは虹を追う人という意味から、夢想家の喩えとして用いられます。

「チェイサー」は「水」?

「チェイサー」はお酒を追いかけるもの

「チェイサー」は「chaser(追跡者)」の由来のとおり、お酒を飲んだ後に「追いかける」ように飲むもの指します。それは、最後に酔い覚ましのために飲むお冷などではありません。例えば、ウィスキー→水→ウィスキー→水のように交互に飲むものです。

ですから、最初の意味でご説明したように、水だけではなく、飲んでいるお酒よりも弱い飲み物であれば、チェイサーと呼びます。水や炭酸水、ジュース、コーヒーなどのソフトドリンクだけでなく、ビールやチューハイなどのアルコール飲料でもチェイサーになり得ます。

「チェイサー」は基本的には「水」

日本の居酒屋やバーなどで「チェイサー下さい」と言えば、基本的には水が出てきます。チェイサーとして飲む水のことを「和らぎ水(やわらぎみず)」と呼ぶそうです。

また、チェイサーとして炭酸水やお茶を出してくれるお店もあります。しかし、多くの場合、水以外のものをチェイサーとして飲みたいときは、普通にお金を払ってオーダーする必要がある点はご注意ください。

「チェイサー」の使い方

  • 日本酒を飲むときはチェイサーと交互に飲むと、二日酔いが軽減するよ。
  • ウィスキーのチェイサーには、氷なしの水がオススメだ。
  • ビールをチェイサーとして飲むなんて、彼は相当なお酒好きだ。
  • 客:「チェイサーください」/店員:「チェイサーは何をご用意しますか?」

日本と外国の違い

カタカナ語として定着している「チェイサー」は、日本の飲食店でも広く認知されている言葉です。一方、外国を見てみると、チェイサーの呼び方に関しては、アメリカとイギリスでは異なっています。

日本のように、メインで飲んでいる強いお酒よりも弱い飲み物をチェイサーと呼ぶのはアメリカ式。イギリス式では反対に、強いお酒の方をチェイサーと呼んでいます。

「チェイサー」の英語表現

「チェイサー」は英語でも同じ意味なので、外国でも通じます。「chase whiskey with beer」ならば、ビールをチェイサーにウィスキーを飲むという意味です。

しかし、日本と同じ感覚で、水が欲しいからといって「チェイサーを下さい」といっても通じないことがあります。

外国でのチェイサーの頼み方

チェイサーの水が欲しい場合には、「Whiskey with tap water back.」と言いましょう。ウィスキーのショットと水を別々に出してくれますよ。

このtap waterは水道水のこと。無料の水(お冷)を頼むときに使います。日本では水は無料なのが当たり前ですが、海外ではwaterを頼んだら、ほとんどの場合はボトルに入った有料の水をだされてしまうので気をつけてください。

また、チェイサーに水以外のものを頼む場合は、「Can I get a shot of vodka with a coke back,please?(ウォッカのショット1つとコーラをください)」のように表現すると良いでしょう。

そのほかの「チェイサー」

あまり用例は多くありませんが、「追跡者」という意味の「チェイサー」についてもご紹介します。

音楽用語・舞台用語の「チェイサー」

舞台などにおける「チェイサー」とは、ミュージカルなどで役者が歌い上げる曲が終わってから、役者が退場するまでに流れる音楽などのことです。

また、舞台やイベントが終了してから、終演アナウンスが流れるまでの間に流れる曲を「チェイサー」と呼ぶこともあります。退場する役者を追いかける音楽という意味でしょう。

『ハリー・ポッター』シリーズの「チェイサー」

映画化もされている『ハリー・ポッター』シリーズに、魔法使いの間で盛んに行われている球技「クィディッチ」が出てきます。この競技は、3種類のボールを使った3つの要素が同時進行するゲームです。

このうち、クアッフルというボールでサッカーのような点取りゲームに関わるのが、各チーム3人のチェイサーと1人のキーパーです。英語版のchaserは、日本語版でもチェイサーと訳されています。

自動車の名前の「チェイサー」

「チェイサー」は、トヨタ自動車が1977〜2001年に販売していた中型高級セダンの名前です。日産自動車のスカイラインに対抗するできる車として開発された、若いユーザーをターゲットとした車種でした。

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