「アディショナル」とは?
「アディショナル」とは、英語の「additional」をカタカナで表したものです。「追加の」「付加的な」「さらなる」という意味を持つ形容詞であり、一般的には名詞の前に付き、名詞を修飾します。
また、アディショナルと聞けば、サッカー用語の一つである「アディショナルタイム」を思い浮かべる方もいらっしゃるでしょう。本来の試合時間の後に「追加される時間」のことですので、このように呼ばれています。
ここでは、英語の「アディショナル」と、サッカー用語で使用される「アディショナル」の意味と使い方を、順にご紹介します。
「アディショナル」:英語
additional:主な意味
- 「追加の」
- 「付加的な」
- 「さらなる」
additional:成り立ち
「additional」は、名詞である「addition(追加)」に接尾辞である「-al(〜の)」が付いて、形容詞に変化したものです。接尾辞とは、単語の語尾に付いて、新しい単語を作り出す役割を持つ要素です。
名詞「addition」自体も、動詞の「add(加える)」に接尾辞である「-tion(こと、もの)」が付いて変化した語で、「加えること、もの(=追加)」という意味を表しています。
additional:使い方
- Additional research is needed.(さらなる[追加の]研究が必要である。)
- Thay are waiting for additional aid.(彼らは追加援助を待っています。)
- You can use it at no additional charge.(追加料金なしで使えます。)
「アディショナル」:サッカー用語
サッカー用語における「アディショナルタイム」(Additional Time)とは、本来定められた試合時間を超えて、さらに追加される競技時間のことをいいます。
サッカーの試合時間は、もともと前半45分・後半45分と定められています。前半・後半でそれぞれ、規定の時間を過ぎてもなお、さらに競技を続ける猶予が与えられる時間のことを「アディショナルタイム」と呼びます。
アディショナルタイムの意義
サッカーの試合はリアルタイムに進行するため、競技とは関係ないところで試合時間が空費されてしまうことも珍しくありません。
そのため、場合によっては、あらかじめ決められた試合時間の枠組みが、一方のチームにとって有利となったり、逆に不利となったりしてしまう可能性があります。
そこで、競技とは無関係に空費された時間を計測しておき、「追加の競技時間」として計上することによって競技の公平を期すのが、アディショナルタイムの意義です。
使い方
- 選手たちの体力が限界に近い。アディショナルタイムの時間によっては厳しい展開になるかもしれない。
- アディショナルタイムには、逆転などのドラマが生まれることがよくある。
- アディショナルタイムの終了の笛とともに、観客が立ち上がり、歓声をあげた。
アディショナルタイムに加算される要素
「アディショナルタイム」として加算される要素はいくつかあります。下記は一例です。
- 競技者の交代
- 負傷のアピールや怪我の程度の判断
- 負傷者の搬出
- 時間の浪費
- 言い争いや乱闘
- 場外からの予期せぬプレーの妨害
- 暑い試合での水分補給など
- ※スローインやコーナーキックでボールをコート内に入れるまでの時間は加算されません。
例えば、勝っているチームが、故意にせよ、不可抗力にせよ、上記のような事態を繰り返したとします。空費された時間のぶん、残りの競技時間が削られるわけですから、負けているチームにとっては深刻な不利益が生じかねません。
このような不公平を解消するために導入されているのが「アディショナルタイム」のルールです。
アディショナルタイムの判断・計測
どのような要素をアディショナルタイムとして加算するか、また、具体的に何分・何秒の時間を加算するかは、タイムキーパーである主審が判断し、計測しています。
その判断・計測に絶対的な基準があるわけではありませんが、ある程度は主審が自己の裁量によってアディショナルタイムを決定することも、ルールの一部とされています。
ロスタイムとの違い
「ロスタイム(loss time)」と「アディショナルタイム」は同じ意味です。以前は「ロスタイム」という用語が使われていましたが、これは和製英語であったため、現在では世界標準の用語である「アディショナルタイム」に統一されています。