「絶対的」とは?
「絶対的(ぜったいてき)」とは、「物事が絶対であるさま」「何物にも制限されないさま」という意味。つまり、「絶対的」は、「他の何者とも比較しようがない状態、関係なしに成り立つ存在」であることを表す言葉です。
「絶対的」は、他との比較によらず、数値などの明確な基準によって物事が決まる時に用いられます。なお、「絶対的」の対義語は「相対的」です。「相対的」の意味、「絶対的」との違いについては、後述します。
「絶対」とは
「絶対」にはいくつかの意味があります。ひとつは、「他に並ぶものがないこと」「何物とも比較されないこと」「比較や対立を絶した存在であること」です。「絶対」の「対」は関係を表しますから、「絶対」は「関係を絶つ」という意から、比べるものがない状態を表します。
「絶対」のもうひとつの意味は、「一切、他によって関与・制限されないこと」です。「上官の命令は絶対だ」のように、他の事情は全て無視されるような事柄を表します。
また、「絶対」は、行動に対して「どうしても・なにがなんでも・必ず・決して」という意味を加える、副詞のような働きをすることもあります。例えば、「絶対行かない」「絶対に反対だ」のような場合です。
「的」とは
「絶対的」の「的」は、名詞について形容動詞の語幹を作る接尾語です。名詞「○○」が「○○的」になると、「○○のような性質を持った」「○○のような状態」「○○に関する」という意味に変化します。
例えば、「母親的な存在」は「母親のような人」、「魅力的な作品」は「魅力がある状態の作品」、「事務的な用事」は「事務に関する用事」という意味ですね。
ですから、「絶対」+「的」は、「他に並ぶものがない状態」を表しているのです。
絶対的:使い方
- 今回のプロジェクトの成功で、絶対的な信頼を勝ち取った。
- 彼は生徒会長として、生徒たちから絶対的な支持を集めている。
- 私の会社では絶対的評価で昇給が決まる。つまり、個人の能力を評価するということだ。
絶対的と相対的
「絶対的」という言葉をしっかりと理解するために、欠かせないのは「相対的」という言葉への理解です。
相対的:意味
「相対的」とは、「他との関係・比較の上で成り立っているさま」を表す言葉です。「相対」には「向かい合っていること」「対立していること」という意味もありますが、この場合は「互いに関係を持ちあって成立・存在すること」を指しています。
つまり、「相対」は、何かを比較することで物事が決まることを表す時に使う言葉です。
【例文】
- 購買率を相対的に見ると、この商品はあまり人気がない。
- 単純な得点ではなく、平均からのずれを見る「偏差値」による評価は、相対的なものだ。
絶対的と相対的
「絶対的」と「相対的」には、次のような違いがあります。
- 絶対的:他の物事との関係や比較なしに成り立ち、存在すること。
- 相対的:他の物事との関係や比較によって成り立ち、存在すること。
例えば、A君のテストの点数が70点、B君が30点だったとします。合格ラインは60点以上であるという場合、A君はこのテストに合格、B君は不合格です。これは「絶対的」な基準です。
別なテストで、A君:70点、B君:85点、C君:45点だったとします。一番点数が高かった人だけが合格という条件だった場合、合格者はB君です。もしB君が30点だったとしたら、A君が合格です。これは「相対的」な基準です。