「戸惑う」の意味とは
「戸惑う」は「予想外の出来事にどう対処して良いか分からず、まごつくさま」を表します。
読み方は「とまどう」です。この言葉の語源は「戸」と「惑う」に分解されます。別の表記で「途惑う」というものもありますが、意味は変わりません。
戸惑うの語源
昔ながらの大きな日本家屋には、いくつもの部屋があります。そのため、夜中に目が覚めてトイレに行こうとするとき、どのようなルートを通ればよいのか分からなくなる事がありました。
どの部屋の「戸」を開けたらいいのか分からなくなり、「惑う」事から「戸惑う」という言葉が生まれたと考えられています。語源を考えてみると、実際にどのような状況なのかが分かりやすくイメージできますね。
「戸惑う」の使用例
- 教授の鋭い質問に答えあぐねた彼は、戸惑い冷や汗をかいていた。
- 隠しきれていると思っていた情報が漏れていた事に対して、戸惑いを隠しきれない。
- 会社より急な転勤の辞令が出て戸惑っている。
戸惑うの類語
戸惑うの類語は多くありますが、語義を要素として大きく2つにわかれます。
- ある行動を取るべきかどうか悩む様子
- するべき事が分からず、心理的に迷う様子
ではこれからそれぞれの要素に分けて類義語を紹介します。
ある行動を取るべきかどうか悩む様子
ある行動を取るべきかどうか悩む様子とは、次に行動を起こすのに決心できない様子だったり、踏み切れない様子を表します。主に以下のような言葉で置き換える事ができます。
- 二の足を踏む
- 躊躇う(ためらう)
- 躊躇(ちゅうちょ)
- 尻込みする
【例文】
- 敵のアジトに攻め込もうとしたが、想像以上の人数がいて二の足を踏んだ。
- バンジージャンプに意気込んで行ったが、いざ橋にたどり着くと、飛び降りることに躊躇してしまった。
- 給料が高いと聞いてアルバイトに応募したが、危険な仕事と聞いて思わず尻込みしてしまった。
するべき事が分からず心理的に迷う様子
するべき事が分からず心理的に迷う様子とは、簡単に言い換えると気持ちが混乱してしまうことを表します。主に以下のような言葉で置き換える事ができます。
- 困る
- 当惑する
- 困り果てる
- 狼狽(ろうばい)する
- 混乱する
- オロオロする
【例文】
- 突然の話に彼は当惑した様子だった。
- アルバイトの急な欠勤で仕事が進まず、彼は困り果ててしまった。
- 経済不況による株価の下落により、一部の投資家たちは狼狽している。
- いつも自信満々な彼だが、偉い人を前にすると急にオロオロし出した。
「戸惑う」を英語で表現すると
「戸惑う・混乱する」という表現は英語で「confuse」で表す事ができます。この単語は高校生で習う単語なので覚えやすいでしょう。
【例文】
- I was confused by her reply.(私は彼女の返答に困惑した。)
その他の表現
そのほかにも似た表現があります。ほとんど日本語にすると意味は同じですが、細かなニュアンスの違いがあります。
- be puzzled(困惑して、途方にくれている様子)
- be embarrassed(人前で決まり悪かったり、恥ずかしがる様子)
- be disturbed (心がかき乱されている状態)
- be perplexed(複雑で混乱してしまている様子・不安で困惑している様子)
- be bewildered(複雑で解決の糸口が見つからない様子、強い困惑を表す)