「両成敗」とは?意味や使い方をご紹介

「両成敗」(りょうせいばい)という言葉を使ったことがありますか?ロックバントのアルバムタイトルとしても有名になった言葉ですが、その昔「成敗」には「打ち首」といった怖い意味もありました。では、「両成敗」の意味や使い方について詳しく解説していきます。

目次

  1. 「両成敗」とは
  2. 「両成敗」の意味
  3. 「両成敗」の語源と変遷
  4. 「両成敗」の使い方
  5. 「両成敗」の誤った使い方

「両成敗」とは

喧嘩(けんか)両成敗という言葉があります。その「両成敗」の部分だけを独立させても意味的に十分成立するので、現在では喧嘩がつかない「両成敗」が一般化しています。多くの国語辞典では「両成敗」が見出し語として掲載されています。

ゲスの極み乙女。

ロックバンド・ゲスの極み乙女。が2016年に発表したアルバムのタイトルが「両成敗」です。ゲスの極み乙女。といえば、メンバーの川谷絵音(かわたに・えのん)さんが、自身の不倫騒動のため、ネット上で相当なバッシングを受けたことでも知られます。その騒動の最中に発売されたアルバムが「両成敗」だったので、その意味ありげな、含みのあるタイトルに世間は騒然となりました。

ちなみに、アルバムには「両成敗でいいじゃない」「続けざまの両成敗」というタイトルの曲が収められています。自虐ネタかと思わせる歌詞の内容は、各方面で賛否両論を巻き起こしました。

「両成敗」の意味

「両成敗」とは「喧嘩をした場合、その当事者双方ともに悪いとして、処罰をする」という意味です。つまり、結果的に喧嘩という事態に至ったのだから、双方ともに非があるということでいいじゃないか、という考えになります。

ただ、現実問題として、喧嘩に至る経緯には両方でなく一方に非があるケースもあるでしょうし、「両成敗」は公平なようでいて、実は不公平なのかもしれません。

「両成敗」の語源と変遷

「成敗」に双方ともの意味の「両」をつけたのが「両成敗」です。「成敗」には時代時代によって意味が加えられてきた経緯があります。「こらしめる・罰を与える」という意味が加わったのは、中世以降のことのようです。

古代中国の「成敗」

もともとは中国の言葉です。中国・前漢の時代の書物では、字の通り「事が成ることと敗れること」つまり成功と失敗を意味していました。また、失敗だけを言うこともありました。

鎌倉時代では「御成敗式目」(ごせいばいしきもく)

日本では鎌倉時代、幕府によって「御成敗式目」という法律が制定されました。この場合の「成敗」が何を意味したかというと、「裁断(=是非を判断して決める)」することです。

具体的に何の「裁断」かといえば、主に武士(御家人)の土地所有に関することでした。武士たちの土地の所有権を法律で保証(知行権を保護)することによって、政権を安定させようとする狙いがありました。その後、これが転じて「成敗」は「政治を行うこと」の意味も兼ねるようになりました。

信長・秀吉が最初の「両成敗」?

江戸時代に如儡子(にょらいし)が書いた随筆「可笑記(かしょうき)」には
 

「織田信長公、羽柴(豊臣)秀吉公、いずれの家でも喧嘩両成敗と定められていた。実に人情に反する措置で、行き過ぎである。嘆かわしく悲しいことだ」

という内容の記述があり、戦国時代から慣習法として「両成敗」が行われていたことをうかがわせます。これが「両成敗」の起源かどうかは断定できませんが、この段階ではすでに「成敗」=「処罰すること・打ち首にすること」の意味になっているのがわかるかと思います。

TV時代劇の暴れん坊将軍では、マツケンこと松平健さん扮する将軍・吉宗公が「成敗!」と言い放つと、悪者が御庭番によってバッサリ斬られるというお決まりのシーンがありますが、時代的にみて「成敗」の使い方は間違っていないといえます。

「両成敗」の使い方

「言い分はどっちもどっちだし、喧嘩両成敗だな」
「当方に落ち度はなかったはずで、両成敗と言われても素直に納得はできない」
「いずれもが痛い目に遭っているという点においては、まさしく両成敗といってよいでしょう」
「両成敗とはいえ、AさんとBさんが全く同じ処分というのは、いかがなものだろう」

「両成敗」の誤った使い方

ここまで解説してきた通り、現在では「成敗」には「処罰する」という意味があります。ですからもし、喧嘩した双方とも何一つお咎めがなかったというケースに「両成敗」は使うべきではありません。例えば「ともに処分なしだったのだから、両成敗ということでしょう」のような言い方をすると、「両成敗」の間違った使い方となります。

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