「丁々発止」とは?意味や使い方をご紹介

皆さんは「丁々発止の議論」を繰り広げたことはありますか?そんな過激な議論とは縁がないという方も多いでしょう。今回は「丁々発止」の読み方や意味、使い方などを順番に紹介していきます。さらに、類語との比較も合わせて紹介します。

目次

  1. 「丁々発止」の読み方
  2. 「丁々発止」の意味
  3. 「丁々発止」の使い方
  4. 「丁々発止」の表記ゆれ
  5. 「丁々発止」の類義語

「丁々発止」の読み方

「丁々発止」は「ちょうちょうはっし」と読みます。アクセントは「ちょうちょうはっし」が正解です。

「丁々発止」の意味

「丁々発止」には2種類の意味があります。使う場面も用途もガラッと変わりますが、激しさを説明するという本質は共通しています。

刀でうち合う音

「丁々発止」はまず、刀で激しく打ち合う時の音の表現として使われます。武士や忍者が刀で切りあう時の音です。

金属同士がぶつかり合っているので、ガーンとかゴーンといった感じでしょうか。真剣同士が何度もぶつかり合う、試合や戦いの激しさを伝える言葉です。

言い争う様子

「丁々発止」はまた、激しく言い争う様子も表します。会議や口論の際に熱い議論を戦わせるさまです。漫画や小説ならガミガミと言い合ったり、バチバチと火花が飛んだなんて書かれるところですね。

政治やビジネスなどオフィシャルな場で大の大人が互いの意見をぶつけ合う時などに使われます。子供の口喧嘩や痴情のもつれによる修羅場の表現としてはあまり使われないようです。

「丁々発止」の使い方

「丁々発止」は文法的には副詞としてよく使われます。刀で戦う様子にせよ、話し合いの様子にせよ動作を説明する言葉です。

【例文】

  • 実力伯仲した二人の戦士が丁々発止と刀をぶつけ合った。
  • 演劇部の部室からは、丁々発止の剣劇の音が聞こえてくる。
  • 責任の所在をめぐって、今日も会議室では丁々発止の議論が繰り広げられた。
  • 彼とは政治に関して丁々発止と渡り合った間柄だ。

「丁々発止」の表記ゆれ

「丁々発止」は「打々発止」や「丁々発矢」、「打々発矢」とも書きます。どの字も使われるので、さほど使い分けは意識しなくてもよさそうです。

「丁々」は物を続けて叩く時の音を表しているので、「打々」でも意味は同じです。何度も殴っている様子が想像できますね。

「発止」は堅いものがぶつかる時の音だそう。「発」には弓矢を射るという意味や動き出すという意味があります。「発止」なら動いていたものがぶつかって止まる様子、「発矢」なら射た矢が的に当たる様子でしょうか。

「丁々発止」の類義語

甲論乙駁

「甲論乙駁(こうろんおつばく)」とは互いに反対意見を出し合って議論が進まないことや、多くの意見が出るために議論がまとまらないことです。甲が論じれば乙が反駁するという意味です。

議論が激しく、たがいに主張を譲らないために話し合いがこじれていることを表す「丁々発止」に対して、「甲論乙駁」は意見の多様さのために話し合いがまとまらないことを意味します。

激しくいがみ合っているなら「丁々発止」、激しくはないけれど色々な意見が出ていて議論が進まないなら「甲論乙駁」と言えます。

侃々諤々

「侃々諤々(かんかんがくがく)」は互いに自分が正しいと思っている意見を堂々と主張しあい、盛んに議論することです。

「侃々」は自分の主張や信念を曲げないこと、「諤々」は思っていることを正直に言うことという意味です。

「丁々発止」も「侃々諤々」も自分の意見を曲げずにずばりと主張している点は同じです。異なるのは、「侃々諤々」は誰かにはばかることなく率直に話していることを重視した表現で、「丁々発止」は議論や意見対立の激しさに焦点を当てた言葉であるという点です。

喧々囂々

「喧々囂々(けんけんごうごう)」とは多くの人がうるさく騒ぎ立てることです。話し合いの様子を表す言葉という点では「丁々発止」と同じです。

ただ、「喧々囂々」は議論の中身ではなく、単純に声が大きくてうるさい、いろんな人が騒いでいるという意味です。


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