「耄碌」とは
「耄碌」は「もうろく」と読みます。その意味は、「年をとることによって、若い頃に持っていた頭脳や肉体のはたらきがおとろえること」です。
言葉の意味
「耄」という字には、「年寄り」とか「年をとってはっきりしない」、「考えがきまらない」といった意味があります。
また「耄(ほう)ける」と書くと、「気抜けしている、正気を失っている」ことを意味する「惚ける」と同じ意味になります
「碌」は「石の多いさま」を表す漢字ですが、この場合は当て字ではないかと言われています。
「耄碌」の使い方
「耄碌」は、老人(年をとった人)に対して用いられる場合がほとんどです。「爺(じじい)」や「婆(ばばあ)」という言葉を加えて、「耄碌爺(もうろく・じじい)」や「耄碌婆(もうろく・ばばあ)」というような使われ方もします。
また「耄碌頭巾(もうろく・ずきん)」といった言葉もあります。これは「焙烙(ほうろく)」の形をした、濃い浅黄の太織りの頭巾であり、かつて老人が暖をとるために使っていたことからくる呼称のようです。
例文
- 彼も昔はいい男だったが、今はすっかり耄碌してしまった。
- 人を耄碌爺あつかいしやがって。まだまだ若いものには負けん。
- 旦那は、まだまだ耄碌するような歳じゃないでしょう。
「耄碌」の類語・反対語
ボケ
「耄碌」の類語として「ボケ(呆け)」があります。最近は「認知症」という言葉が一般化したことによって、使用が控えられているところもあるかもしれませんが、「ボケ老人」といった使われ方をします。
ただ「耄碌」にせよ「ボケ」にせよ、実際に他人に対して使えば揶揄や悪口となりかねませんので、使用には注意が必要です。
矍鑠
「矍鑠(かくしゃく)」は「年取っても丈夫で元気が良いさま」を意味する言葉です。年をとって衰えてしまったことを意味する「耄碌」とは反対の意味の言葉と言えるでしょう。