「ユニバーサルメルカトル図法」の意味
「ユニバーサルメルカトル図法」は、結論から言うと実在しない架空の図法です。インターネット掲示板「2ちゃんねる(現在の5ちゃんねる)」の、とある住人が生み出した造語で、現在ではネットスラングとして使われています。
なお後述しますが、よく似た言葉として「ユニバーサル横メルカトル図法」があります。こちらは世界的にも有名な、実在する地図投影法です。
「ユニバーサルメルカトル図法」の使い方
「ユニバーサルメルカトル図法」は、そのインパクトのある、何となく高尚そうな名前から「あらゆる謎を解くことができる理論」というニュアンスで使われています。
たとえばインターネット掲示板などで、難しいクイズや議題が提示された際に「ここはユニバーサルメルカトル図法を用いて…」といったように使われます。
もちろん架空の図法ですので、まともな解答にはなっていません。あくまで「それっぽく解答している様子」をネタとして楽しむために使います。なるべく知的かつ堂々と書き込むことで説得力が増します。
(A)
なるほど、この問題はユニバーサルメルカトル図法がヒントになるかな。
「ユニバーサルメルカトル図法」の元ネタ
「ユニバーサルメルカトル図法」の元ネタは、2009年にインターネット掲示板「2ちゃんねる」のニュース速報板(ニュー速)に立てられた「Googleが天才を探しているらしい」というスレッドにおける書き込みです。
Googleが提示した難問
「ユニバーサルメルカトル図法」が誕生したきっかけとなったのが、インターネットサービス大手のGoogle社が提示した暗号問題です。「この難問を解いた人はGoogleで働ける」といった趣旨のメッセージも添えられていました。
ある日、上述のニュー速スレッドにて「Googleの問題が解けた」と主張する人物が現れます。この人物は「ユニバーサルメルカトル図法」等を用いて解答に辿り着いたと説明し、しばらくスレッドに滞在して書き込みを続けます。
具体的な説明内容や知的な語りっぷりから、掲示板の住人たちはその人物が本当に難問を説いたのだと信じ「v速民から天才が現れた」「我々はGoogleに勝利した」と喜びます。
その様子は大手ニュースサイト「ライブドアニュース」にも取り上げられ、スレッドはさらに盛り上がりました。
意外な結末
ところが、「ユニバーサルメルカトル図法」を用いた解答は間違いだったことが判明します。つまりこの人物は、デタラメな解説を並べて掲示板住人たちを騙す、いわゆる「釣り」行為を行っていたのです。
ひとりの人物の発言にまんまと騙されたこの事件は「ニュー速板の黒歴史」として、掲示板住人の心に刻まれることとなりました。
そして「ユニバーサルメルカトル図法」は「謎解きのヒントとなる図法」としてネタ的に使われるようになりました。
「ユニバーサル横メルカトル図法」とは
「ユニバーサル横メルカトル図法」とは、実在する地図投影法です。UTM図法とも呼ばれています。世界的にも有名な地図投影法で、日本の国土地理院が刊行している地図のなかにも、この図法を用いているものがあります。
「ユニバーサルメルカトル図法」は、おそらくこちらの「ユニバーサル横メルカトル図法」のことを言おうとしたものの、間違えて「横」を抜かして書いてしまったのでしょう。
ニュース速報板の黒歴史
インターネット掲示板「5ちゃんねる」のニュース速報板(ニュー速)の住人たちには、思い出したくもない嫌な記憶、いわゆる「黒歴史」がいくつか存在します。ここではニュー速民の黒歴史のなかでも有名なものをいくつかご紹介します。
ニュー速キリン不買運動
ニュー速キリン不買運動とは、TBSのニュース番組「ニュース23」のスポンサーだった飲料メーカー「キリン」の商品に対する不買運動です。
当該番組で放送した従軍慰安婦特集の内容が偏向・捏造だとして抗議し、掲示板内でキリン不買運動が起こりました。
ところがその年に発表されたキリンの決算では、売上高は増え、業界内シェアも1位を獲得と発表されます。ニュー速住民の歴史的大敗北事件として扱われ、今では誰も触れないようにしています。
三浦和義さんの公式BBSへの攻撃
2003年に書店で万引き事件を起こしたタレントの三浦和義さんに対する抗議の意味を込めて、ニュー速住民は三浦和義さんの公式BBS(電子掲示板)を荒らしました。
ところが三浦和義さんから「書き込んだ人物を名誉毀損で告訴する。謝罪したなら許す」といった旨の書き込みがあると、これまで荒らし行為をしていたニュー速住民たちは一転して謝罪の書き込みをするようになりました。