「そつなく」とは?意味や使い方をご紹介

「そつなく」というと良いイメージを感じますか。それともあまり良いイメージがしないと思われるでしょうか。「そつなく」の意味について説明するとともに、漢字の表記の仕方や使い方、誉め言葉と嫌みで使われる例について詳しく紹介します。

目次

  1. 「そつなく」の意味とは?
  2. 「そつなく」を漢字で書く
  3. 「そつなく」は誉め言葉?それとも嫌み?

「そつなく」の意味とは?

「そつなく」の意味は、「抜かりなく」・「如才なく」・「要領よく」・「手落ちがなく」・「無難に」・「不十分なところがなく」・「不注意な点がなく」という意味で、後に来る動詞を修飾します。

【使用例】

  • 今年度の新入社員の女性は、仕事をそつなくこなしていると評判だ。
  • あの人は頼まれたことはそつなくやり遂げるけれども、特別に何かができるという訳ではないんだよね。

そつなくこなすとは?

「そつなく」は「そつなくこなす」という語句の使い方をすることが多いです。「こなす」は「熟す」と書き、熟練した腕前があり、道具を器用に扱うことを表しています。「そつなくこなす」とは、難なくできるとか、手抜かりなく器用に行うという意味合いに取れるでしょう。

「そつなく」を漢字で書く

「そつなく」を漢字で書くと「卒無く」です。「無く」は形容詞「無し」の連用形で、「無いこと」を表し、前の言葉を打ち消す意味合いになります。「卒」は当て字であり、漢字の持つ意味とは関係なく、「不十分」・「不注意」・「無駄」という意味になるというのが一般的です。

有力な説ではありませんが、「卒」という漢字で「終わる」・「終える」という意味があり、「卒無く」とは「途中で終わること無く」ということを表していているのではないかという考え方もあります。物事や作業を「途中で終えることなく最後までやり遂げる」ことから転じて、「抜かりなく」や「手落ちなく」という意味になったのではともいわれています。

「そつなく」は誉め言葉?それとも嫌み?

「そつなく」は、誉め言葉にもなったり嫌みになったりします。前後の文脈や話をしている人の表情や口調などに注意して判断するとよいでしょう。

誉め言葉の場合

「そつなく」ということで、何事も手抜かりなく、不十分な所がなく物事をやり遂げられることから、能力がある人とか、責任感がある人というように誉め言葉で使われます。仕事ができる有能な人という意味合いでも用いられるでしょう。

嫌みの場合

「そつなく」には無難に、如才なく、要領よくなどの意味もあります。「頼まれたことはしっかりと最後までやり終えるけれども、出来は無難でそこそこ」というようなマイナスの意味合いも感じられます。全てにおいて平均点以上の出来映えに仕上がるけれども、突出して良いところがある訳ではないという器用貧乏の意味にもとらえられる場合もあるでしょう。

要領よくという所から、上手く立ち回って行動するという意味合いも感じ取れ、ずる賢く振る舞う人や打算的な人という印象を与えることもあります。

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