「早い」の意味と使い方
「早い」の類語をご紹介する前に、「早い」の意味と使い方を整理しておきましょう。
「早い」の意味その1
【意味】
- ある時間や時期の中で前の方であること
- ある基準より時期が前であること
【例文】
- 隣の部屋から大きな物音がして、朝早く目が覚めてしまった。
「早い」の意味その2
【意味】
- まだその時期ではないこと
- まだその時刻になっていないこと
【例文】
- 二人とも学生だし、まだ結婚には早いんじゃないかと思う。
「早い」の意味その3
【意味】
- 時間がかからず簡単であること
【例文】
- 子供にやらせるより自分でやった方がずっと早い。
「早い」の意味その4
【意味】
- すみやかであること
- ある動作を完了するまでの時間が短いこと
【例文】
- サバは足が早い。
この「すみやかである」という意味での「はやい」は漢字に注意が必要です。例文の「足が早い(=腐りやすい)」のような慣用的な表現には「早い」という漢字が標準的です。
一方「山田さんは足が速い」「バスより新幹線の方が速い」など、慣用表現以外の場合は「速い」という漢字が標準的です。
「早い」の類語
それでは「早い」の類語を意味ごとにご紹介します。
「(時間や時期が)早い」の類語
「(時間や時期が)早い」の類語としては【早期】【早々】があげられます。【早期】は「早い時期」という意味です。「早期に治療を開始すれば、決してこわい病気ではない」などと使います。
また【早々】とは「ある状態になってまだ間がないこと」を意味します。「入社早々大失敗をしてしまった」などと使います。
「(まだその時期ではない)早い」の類語
「(まだその時期ではない)早い」の類語としては【尚早(しょうそう)】があげられます。【尚早】とは、「何かを行なうにはまだ条件が整わず早すぎる」という意味です。
「市議を一期しか務めていないのに、知事選に立候補したいとは時期尚早ではないか」などと用いられます。
「(時間がかからず簡単な)早い」の類語
「(時間がかからず簡単な)早い」の類語としては【手っ取り早い】があげられます。【手っ取り早い】は、「手間がかからず、早く解決することができる」という意味です。「太郎の家はすぐそこだから、電話するより直接行った方が手っ取り早いね」などと使います。
「速い」の類語
ここでは「すみやかである」という意味の「速い」の類語もご紹介します。「(スピードがある)速い」の類語は【早急】【特急】【迅速】【敏速】【神速】などです。
【神速】は「しんそく」と読みます。「神業のように早い」という意味です。「神速果敢に行動した」などと使います。他にも以下のような類語があります。
「速い」の類語(比喩表現)
「速い」の比喩表現の類語としては【脱兎(だっと)】【矢のように】などがあります。【脱兎】は、「逃げるウサギのように非常に早い」様子を表現しています。「脱兎のごとく走り去った」「脱兎の勢いで逃げて行った」などと使います。
「速い」の類語(四字熟語)
「速い」の四字熟語の類語としては、【一気呵成(いっきかせい)】【一瀉千里(いっしゃせんり)】【疾風迅雷(しっぷうじんらい)】【電光石火(でんこうせっか)】などがあります。
【電光石火】は「非常に素早い行動」を意味します。「リーダーは電光石火の早わざで問題を解決してしまった」などと使います。
「速い」の類語(カタカナ語)
「速い」のカタカナ語の類語には【スピーディー】【フルスピード】【急ピッチ】などがあります。
【急ピッチ】は「仕事などの進む速さや調子が急速であること」を意味します。「オリンピックスタジアムの工事が急ピッチで行われている」などと使います。
「耳が早い」の類語
「耳が早い」は、「うわさなどの情報を聞きつけるのが早い」という意味です。類語としては【地獄耳】があげられます。
【地獄耳】は「人の秘密などをあっという間にかぎつける」という意味です。「あの週刊誌の記者は本当に耳が早い」「隣の部署の山本さん、地獄耳だから気をつけた方がいい」などと使います。
「手が早い」の類語
「手が早い」は、「物事を短い時間で処理する」「すぐに暴力をふるう」「異性とすぐに関係を持つ」という三つの意味があります。
このうち「物事を短い時間で処理する」という意味の類語としては、【素早い】【機敏】【てきぱき】などがあげられます。
【てきぱき】は、「物事を手際よく処理する」という意味です。「今流行りの家事代行サービスをお願いしたのだが、てきぱきと何品ものおかずを作る様子に圧倒された」などと使います。