「migration」とは?
「migration」の意味
「migration(マイグレーション)」は、人や動物の「移住」や「渡り」を意味する名詞です。
集合体としての「移住者群」や「渡りの群れ」を指すこともあり、前者の場合は不可算名詞、後者は可算名詞として扱われます。
これ以外にも、化学用語で「(イオンや電子の)移動、泳動」、生物学用語で「(胎児の細胞の)移動、遊走」を表す言葉としても用いられています。
また、「migration」にはIT用語で「(別環境への)移行、乗り換え」という意味もありますが、これは日本語「マイグレーション」としても使用されています。
「migration」の使い方
- The rural village is suffering from the out-migration of the young.(その村は若者の流出に悩まされている。)
- In eastern Asia, the autumn migration of russet sparrow occurs between August and November.(東アジアでは、ニュウナイスズメの秋の渡りは8月から11月の間に起こる。)
「migrate」はmigrationの動詞形
「migration」は、動詞の「migrate(マイグレイト)」から派生した言葉です。「migration」には「移住する」、「渡りをする」などの意味があります。
「migrant」は人を表すのに用いる
「migration」には集合体としての「移住者群」や「渡りの群れ」という意味がありますが、個々の「移住者」や「移民」を表す時は「migrant(マイグラント)」を使用します。
「migration」の関連語
「migration」に関連する言葉に、「immigration(イミグレーション)」、「emigration(エミグレーション)」があります。これらも「移住」や「移民群」を表す言葉ですが、次のような違いがあります。
immigration | その国に入ってくる移住 |
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emigration | その国から出て行く移住 |
migration | 出入国に関わらない第三者から見た移住 |
例えば、日本からアメリカへの移住の場合、日本から見ると「emigration」、アメリカから見ると「immigration」、出入国に関わらないカナダから見ると「migration」ということになります。
IT用語「マイグレーション」とは?
IT用語における「マイグレーション(migration)」とは、「ハードウエアやオペレーティングシステムなどが異なる情報システム間で、データやプログラムを移行すること」を表す言葉です。
ここで「migration」という言葉が用いられているのは、上でご説明した通り、データ移行を行うユーザは、古いシステムとも新しいシステムとも違う第三者だからでしょう。
データ・マイグレーション
「データ・マイグレーション(data migration)」とは、「異なる種類のハードウェアやソフトウェア、システム、データ形式などの間でデータを移すこと」を意味する言葉です。
レガシー・マイグレーション
「レガシー・マイグレーション(legacy migration)」とは、「時代遅れになったコンピューターシステムから、新しいマシンやOSを備えたシステムへ、データやプログラムを移行すること」を表す言葉です。
なお、「レガシー」は「遺産、伝承物」を表す言葉です。この言葉が用いられているのは、日進月歩のコンピュータ業界にあって、システムもすぐに古びてしまうという皮肉かもしれません。