「もとい」の意味とは?使い方や例文をご紹介

「もとい」という言葉をご存じでしょうか。初めて目にする方や、見覚えはあっても正確な意味はわからない方という方もいらっしゃると思いますので、ここでは「もとい」について解説します。

目次

  1. 「もとい」って?
  2. 「もとい」の語源
  3. 「もとい」の意味と使い方 ~訂正の前置き~
  4. 言外の意味をこめた「もとい」
  5. その他の「もとい」
  6. 「もとい」の英語表現は?

「もとい」って?

現在ではそれほど頻繁にお目にかかる言葉ではありません。昔の小説や映画のセリフなんかにはよく出てきます。ですから、どちらかというと古風な表現といってよいでしょう。とはいえ、決して死語というわけではなく、いまでも十分に通用する言葉です。

「もとい」の語源

「もとい」は漢字で書くと「元い」。このことからも推察できるとおり、「もとい」は何かを「元へ戻す」という意味を持つ間投詞(感動詞)で、ひらがな表記で用いられるのが一般的です。
 

語源は旧軍隊用語の「元へ」ともいわれます。「元へ」は、ひとつの命令を終わらせて「元の状態(姿勢・隊列)に戻れ」という号令ですから、意味合いとしては「もとい」に近いものがありますね。
 

では、現在「もとい」という表現は何を「元へ戻す」ときに使われるのでしょうか?

「もとい」の意味と使い方 ~訂正の前置き~

「もとい」は、直前の発言を打ち消し、正しく訂正するときに用いられます。使用例を見てみましょう。
 

  • 来週の会議は火曜日、もとい、水曜日だったね
  • 去年、函館、もとい、札幌で食べたラーメンは絶品だったよ
  • 彼女は中学時代の、もとい、高校時代の後輩だ


このように、「自身の発言」の間違いに気づいていったん撤回するのが自立語(単独で文節を成す語)の「もとい」で、「もとい」のあとには必ず訂正した言葉が来ます。うっかり口にした誤りを正したいので「とっさに」言い直すといった具合です。つまり、自身の発言を即座に自分で言い直す。いわば自己完結型の表現ですから、他人の発言を否定、正す際には用いません。

 

「もとい」を現代的な言いまわしに変えるなら「……じゃなくって」ぐらいのニュアンスになるでしょうか。あくまで軽めの誤りに対する訂正なので、重大なミスについて「もとい」の一言で言い直した場合、状況によってはおかしな空気になるかもしれません。よって、堅苦しい場やオフィシャルな席にはあまり向かない口語表現といってよさそうです。

言外の意味をこめた「もとい」

上記のとおり、自身の前言撤回と訂正を仲介する「もとい」ですが、時には捻った表現としての出番もあります。使用例を見てみましょう。

 

  • 彼は仕事が遅い……もとい、人並み外れて作業が慎重だからねえ
  • まったくあの政治家ときたら腹黒い、もとい、勝ち方をよくわかってるな
  • 君のアバウトな性格、もとい、細かいことにこだわらないポジティブな性格がうらやましいよ


これらは「ついうっかり」の間違いではなく、わかった上で意図的に言い換えている例です。話し口調のニュアンスも関わってきますからケースバイケースではありますが、話者の本音が、どうやら前半にありそうなことは読みとれるかと思います。本来は「もとい」のあとに訂正語が来るはずが、ここでは逆になっているわけです。そこに言外に伝えたいこと(前半部分)の強調が見てとれます。
 

このように「もとい」は、使い方次第で、皮肉や気心の知れた者同士の軽口にも効果を発揮しますが、一歩間違えると人間関係に支障が生じる可能性もありますのでご注意を。

その他の「もとい」

国語辞書で「もとい」を引くと、今回ご紹介した「元い」のほかに、「元結」「基」といった語も出てきます。前者は「日本古来の髪型である髻 (もとどり)を束ねる紐や糸」の意、後者は「建築物の土台」「さまざまな物事の基本あるいは原因」の意となりますので、混同しないよう気をつけましょう。

「もとい」の英語表現は?

おしまいに、「もとい」と同様の英語表現を見てみましょう。

英語の場合は、”No”で打ち消してから訂正しても通じるわけですが、より正確にいうと “No, I take that back”で前言撤回したのちに言い直します。これなら会話の流れを止めずに「もとい」と一言で済ませるほうが楽そうですね。


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