「スイーツ(笑)」の意味
「スイーツ(笑)」は、メディアに影響を受けやすい若い女性を揶揄する意味が込められたネットスラング(インターネット上の俗語)です。
このスラングが生まれた2000年代半ば、女性向け情報媒体では、お菓子などの甘味のことを「スイーツ」と呼ぶのが流行していました。それに影響を受けた当時の若い女性たちも、甘味を「スイーツ」と呼ぶようになります。
その様子を見た一部の人々が、「メディアに影響を受けやすく、流行に乗るのがオシャレだと考えること」を愚かなことだとし、笑い物にする意図をもって、この「スイーツ(笑)」というスラングを使い始めたのです。
「スイーツ(笑)」的とされるもの
若い女性が好みそうなケータイ小説全般や、ギャル文字や絵文字などの文章装飾、「自分へのご褒美」や「意識高い系」といったマスメディア発祥の言い回し、その他若い女性の間で流行するほぼ全ての事柄やフレーズが、「スイーツ(笑)」的とされます。
そして、それらを好み、使用する女性たちが、「スイーツ(笑)」の対象となるのです。
「スイーツ(笑)」の元ネタ
「スイーツ(笑)」のは元ネタははっきりしていません。有力な説としては、2chなどの巨大ネット掲示板の書き込みが発祥であるとか、ニコニコ動画へのコメントが元であるというものがあります。
そんな出どころの分からない「スイーツ(笑)」ですが、ネットを中心に大いに浸透し、2007年のネット流行語大賞において銀賞を獲得するに至りました。
「スイーツ(笑)」の使い方
ここでは、「スイーツ(笑)」の書き方と使い方について、実際の例を見ながらご紹介します。
───アタシの名前はアイ。心に傷を負った女子高生。モテカワスリムで恋愛体質の愛されガール♪
アタシがつるんでる友達は援助交際をやってるミキ、学校にナイショで
キャバクラで働いてるユウカ。訳あって不良グループの一員になってるアキナ。
(中略)
・・・チガウ・・・今までの男とはなにかが決定的に違う。スピリチュアルな感覚がアタシのカラダを
駆け巡った・・。「・・(カッコイイ・・!!・・これって運命・・?)」
男はホストだった。連れていかれてレイプされた。「キャーやめて!」ドラッグをきめた。
「ガッシ!ボカッ!」アタシは死んだ。スイーツ(笑)
これは、有名な「スイーツ(笑)」のコピペ(定型文)を一部抜粋したものです。2000年代半ばに若い女性の間で流行していたいわゆる「ケータイ小説」をもじったものと言われています。
このように、揶揄したい話題(この場合は若者然とした言い回し)の後ろに付けるのが、「スイーツ(笑)」の一般的な使われ方です。
「スイーツ(笑)」の類義語
「スイーツ(笑)」の類義語には、昔流行した「ミーハー」があります。「ミーハー」も、世の中の流行の話題に飛びつく若い女性を揶揄する言葉でした。
ただし、話題の最後に付けて接尾辞的に用いる「スイーツ(笑)」と違い、「ミーハー」は形容動詞的に用いられます。例えば◎◎◎という人気急上昇中のアイドルグループがいたとすると、それぞれ用い方は以下の通りです。
- 「◎◎◎が好きなんて、ミーハーだね」
- 「◎◎◎が好きなの? スイーツ(笑)」
「スイーツ(笑)」を使う傾向の強い人々
有名なネットスラングである「スイーツ(笑)」ですが、インターネットを閲覧する人のほとんどが使っているというわけではありません。
「スイーツ(笑)」は主に男性が使うらしい
「スイーツ(笑)」は女性を揶揄するスラングだけに、使用者は圧倒的に男性が多いと言われています。
日本経済新聞の分析によれば、男性の中でもいわゆる「オタク」と呼ばれる人々が、自分たちを笑いものにしているマスメディアにお客様として厚遇される若い女性へのやっかみとして、「スイーツ(笑)」を使う傾向が強いのではないかということです。
「スイーツ(笑)」と似ている表現方法
「スイーツ(笑)」は2020年が迫る現在では半ば死語化しており、ネット上でも流行時のように頻繁に見かけることはありません。
ですが、「スイーツ(笑)」は少し姿を変えて、今も脈々とネットの中に存在しています。ここでは、「スイーツ(笑)」に類似した現在流行中の表現方法をご紹介します。
語尾に「(笑)」や「w」を付ける
「(笑)」も「w」も、「スイーツ(笑)」と同じく揶揄や嘲笑を表現するものです。最近では「w」が主流で、「カッコ悪すぎるw」のように語尾に付けて使います。
「w」は汎用性が非常に高く、重ねて使うことにより「カッコ悪すぎるwww」と揶揄の程度を強めることができます。
「(笑)」を付けると一気に「スイーツ(笑)」的に
- ママ友(笑)
- スピリチュアル(笑)
- お一人様(笑)
- ちょい悪オヤジ(笑)
上記のような使い方をされることにより、「(笑)」は「スイーツ(笑)」的な役割を果たすことになります。
ただし、この場合はあくまでもコンテンツを絞って揶揄するにとどまりますので、「スイーツ(笑)」のようにワンフレーズで流行に敏感な女性全体を笑いものにするには向いていません。