「難聴系主人公」とは?
「難聴系主人公」の意味
「難聴系主人公(なんちょうけいしゅじんこう)」とは、ライトノベルやアニメなどにおいて「女の子からの告白を聞き逃しがちな主人公」、「女の子からの告白を聞こえないフリをする主人公」を指すネットスラングです。
ただし、「難聴系主人公」といわれるキャラクタが登場する作品の中では、一度も「難聴」という表現は使われていません。
「難聴系主人公」の使い方
- 「このキャラも難聴系主人公か…」
- 「難聴系主人公って、女性から見ると、煮え切らなくてイライラする。」
使用する際の注意
一般的には、「難聴」は「種々の要因で音や声が聞こえにくい症状」を指します。「難聴」を患っている方やそのご家族にしてみれば、症状を揶揄しているような表現を不快に感じるのも無理からぬことです。
特に不特定多数の人間が目にする可能性のあるSNSなどでの使用は、トラブルの元になることもあるので注意しましょう。
タイプ別「難聴系主人公」
「難聴系主人公」には、不運により、あるいは、ヒロインの好意に気付かずに聞き逃すタイプと、ヒロインの好意に気付きながらも気付かぬふりをするタイプがあります。
「難聴系主人公」タイプ①聞き逃す
ヒロインの告白を聞き逃すタイプの主人公には、「告白の瞬間に騒音などに邪魔されて本当に聞こえない」という不運に見舞われる人と、「女性に興味が薄い、または、自分がモテないと思い込みが強いせいで、告白されていることに気づかない」という人がいます。
どちらの場合も、あまりにも女の子たちからの好意を無視すると、本人の性指向に反してシスコン疑惑・同性愛疑惑が持ち上がることもあります。
「難聴系主人公」タイプ②聞こえないふり
ヒロインの告白を聞こえないふりをする主人公には、「今の関係を壊したくない」、または、「面倒なことは避けたい」という思いがあり、誰よりも空気を読んでいる人と言えます。
とはいえ、自分が一歩踏み出す勇気がないことから出る行動であることが多く、ヘタレの烙印を押されることもしばしばです。
定番のセリフ「え?なんだって?」
「え?なんだって?」
難聴系主人公の定番のセリフは、「え?なんだって?」です。一般的には、本当に聞き取れなくて聞き返す場合に使いますが、ライトノベルやアニメなどにおいては、ヒロインの台詞が聞こえていたにも関わらず、聞き取れなかったふりをする際に多く用いられます。
ネタにされるようになった理由
「え?なんだって?」というセリフがネタとされるようになったのは、2013年に放送されたテレビアニメ『僕は友達が少ないNEXT 』11話のラストシーンで、ヒロイン・柏崎星奈からの告白を、主人公・羽瀬川小鷹が「え?なんだって?」と大声で叫んでかき消そうとしたところからです。
告白が聞こえていたことが周囲にばれているのに聞こえないふりを通した往生際の悪さ、そして、聞こえないふりが通用しないと分かるやいなや逃走するヘタレぶりが、視聴者の印象に残ったのです。
そのため、この作品以外でも主人公が「え?」、「今何て言った?」などと相手のセリフを聞き返すと、「え?なんだって?」のコメントがSNSや動画のコメントに大量に書き込まれるようになりました。
「難聴系主人公」の長所・短所
ライトノベルやアニメにおいて、主人公がヒロインからの告白を聞き取れないというシチュエーションはよく使われるシチュエーションです。
「難聴系主人公」の長所
主人公がヒロインからの好意に気付いてしまうと物語が終わってしまう、展開に支障があるという場合、主人公に気付かれることなく、読者や視聴者にだけヒロインの心境を表現できるというメリットがあります。
「難聴系主人公」の短所
使い勝手のいい手法ですが、多用し過ぎるとワンパターンに陥り、物語も進展しないので、読者や視聴者に不快感を与えるというデメリットがあります。
代表的な「難聴系主人公」
「難聴系主人公」は、特定の女性キャラクターと深い仲にならない、なっても修羅場になりにくいため、ライトノベルやアニメ、ギャルゲーの主人公によく見られるタイプです。
代表的な「難聴系主人公」には、次のようなキャラクタがいます。
- 羽瀬川小鷹(はせがわこだか):平板読・著、ライトノベル『僕は友達が少ない』より。テレビアニメ1期は2011年、2期は2013年に放送。
- 阿良々木暦(あららぎこよみ):西尾維新・著、ライトノベル『物語』シリーズより。2009年よりテレビアニメ、劇場版などが公開。
- 糸色望(いとしきのぞむ):久米田康治・作、漫画『さよなら絶望先生』より。2007年よりテレビアニメ、単行本付属のOAD(オリジナルアニメーションDVD)が公開。