「オブジェ」とは?意味や使い方をご紹介

アート系の記事などで「オブジェ」という言葉を目にすることがあります。「オブジェ」はフランス語の「objet」に由来する美術用語で、「objet」は英語の「object」に相当する言葉です。今回は「オブジェ」の意味、英語の「object」について解説します。

目次

  1. 「オブジェ」とは?
  2. オブジェの原語「objet」
  3. オブジェの英語表現「object」
  4. 美術用語「オブジェ」
  5. 「モニュメント」「レリーフ」「オーナメント」

「オブジェ」とは?

「オブジェ」の意味

「オブジェ」はフランス語の「objet」を由来とする外来語で、次のような意味があります。

  1. [美術]題材となる描写対象。または、絵画・彫刻などに用いるさまざまな物体。
  2. [美術]ダダイスムやシュルレアリスム以降の現代芸術の手法のひとつ。
  3. [華道]生花に用いる花以外の材料。

フランス語の「objet」は、英語の「object」に相当する言葉です。フランス語由来の「オブジェ」が日本で定着したのは、上記の意味からお分かりになる通り、美術用語として取り入れられ、広く用いられるようになったからです。

しかし、日常生活において「オブジェ」という言葉は、本来の意味から離れて「(実用性のない)置物」「立体的なアート作品」といったニュアンスで使われることが多いようです。

「オブジェ」の使い方

  • 美術に疎いので、オブジェとガラクタの境目がわからない。
  • このオブジェは日本で公開されるのは初めてだ。

オブジェの原語「objet」

「オブジェ」の由来となったフランス語の「objet」には、次のように様々な意味があります。

  1. 物体。
  2. 品物,道具。
  3. 物件。
  4. (感情などの)対象,的。
  5. 目的,意図。
  6. 主題,題目,テーマ。
  7. [哲学](主体に対しての)客体。
  8. [文法]目的語。

フランス語の「objet」は、「前方に投げ出された物」を意味するラテン語の「objectrum」を語源としています。

「オブジェ」の原語である「objet」には美術品という意味はなく、フランス語で「美術品・芸術品」は「objet d'art」と表現されます。

オブジェの英語表現「object」

フランス語の「objet」は、英語の「object」に相当し、「object」の意味は「objet」とほぼ同じです。

異なる点は、、口語で「おかしなもの」、「みっともない人」という意味で用いられること、そして、動詞としても使用されることです。動詞としての「object」には、次のような意味があります。

  1. (嫌悪や避難の気持ちから)反対する。異議を唱える。
  2. 不服である。反感を持つ。嫌う。

美術用語「オブジェ」

美術における「オブジェ」

美術においても、「オブジェ」はもともと「描写対象」や「素材・材料」というだけの意味でした。

しかし、20世紀初頭のダダイスムやシュルレアリスム以降は、「既成品や自然物などを本来の機能やあるべき場所から切り離してそのまま作品とすることで、既存の意味とは異なる意味を与えようとするもの」を表すようになりました。

有名な「オブジェ」のひとつ、フランスの芸術家デュシャンの『泉』は、既成の男性用小便器に署名しただけの作品です。デュシャンは、便器を展示することによって便器としての機能を無くし、「なんでこの便器がアートなの?」と見た人に考えさせることで完成する、哲学的な芸術に変えてしまったのです。

このように、「オブジェ」の登場により、それ以前の絵画や彫刻といった分類を基本とする芸術概念は変わらざるを得ず、従来の素材や技法は芸術の拠り所としての意義を大きく減退させました。

ダダイスムとは?

ダダイスム(フランス語:Dadaïsme)」は、20世紀始めに起こった芸術思想・芸術運動のことで、第一次大戦中から戦後にかけて世界的に展開されました。

理性を優位におく既成の価値観を否定し、芸術の自由な発想と表現を目指しており、ダダイズム、ダダ主義、ダダとも呼ばれています。

「ダダ」という名称はフランスの詩人トリスタン・ツァラの命名で、辞典から適当に見つけた単語が語源だったとも言われています。

シュルレアリスムとは?

シュルレアリスム(フランス語:surréalisme)」とは、ダダの流れを汲みながらも、その破壊的な要素を否定して建設的方向に転じた文学・美術の革新運動を指しています。

フロイトの精神分析理論などの影響を受けて、想像力・幻覚・妄想・夢・狂気・驚異に注目し、人間の精神を解放する具体的な技法を模索しました。

この名称はフランスの詩人アポリネールの造語です。シュールレアリスム、シュールレアリズムとも表記され、「超現実主義」と和訳されます。

「モニュメント」「レリーフ」「オーナメント」

「オブジェ」と混同されがちな言葉には次のような言葉がありますが、いずれも「オブジェ」と同義とは言えません。

なお、「オブジェ=お洒落な置物」のようなニュアンスで使われることもありますが、このニュアンスに相当するのは「オーナメント」であることがわかります。

モニュメント

「モニュメント(monument)」には「記念建造物(記念碑・記念像)」、「遺跡・歴史的建造物」、「不朽の業績・金字塔」という意味があります。

英語、フランス語の「monument」は、ラテン語で「思い出させる」という意味の「monere」に由来しているので、何かしらの思い出を表すものが「モニュメント」ということになります。

レリーフ

「レリーフ(relief)」は日本語の「浮彫(うきぼり)」に相当する言葉で、「平面に絵・模様・文字などを浮き上がるように彫る彫塑(ちょうそ)技法」を指しています。

オーナメント

「オーナメント(ornament)」は「装飾」、「装飾品」、「飾り罫」という意味ですが、広義には、「インテリア・デザイングッズ」、「置物」、「装飾用の小物」などのことを指し、特に、「キャラクターなど象徴的な物を使った装飾品」を表します。

クリスマス、ハロウィン、正月、ひな祭りなどの行事を表す装飾品もオーナメントに当たります。


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