「マジック(magic)」とは?
「マジック(magic)」の意味
「マジック」は英語の「magic」に由来する言葉で、次のような意味があります。それぞれについては、追って詳しくご説明します。
- 魔法。魔術。奇術。手品。
- 「不思議な力のある」という意味で、他の外来語との複合語として用いられることが多い。
- 「マジック・ナンバー」の略。
- 「マジック・インキ」の略。
「マジック(magic)」の使い方
- 「あなたの特技がマジックだとは知らなかった。」
- 「あそこの鏡はマジック・ミラーになっています。」
- 「今夜の試合でマジックが点灯した。」
- 「そこのマジックを取ってくれないか?」
「magic」とは?
「マジック」の由来となった英語の「magic」には、次のような意味があります。
- 魔法(の)。魔法をかける(こと)。魔術。呪術。
- 魔力(がある)。不思議な力。抵抗しがたい魅力。
- 手品。奇術。
マジック①「魔法」・「奇術」
「魔法」や「魔術」
「マジック(magic)」の意味の一つは「魔法・魔術」ですが、幕末に刊行された『和英語林集成』において、「magic」の和訳、「魔法」の英訳は次のよう記されています。
- 「magic」 の和訳→「魔法」、「飯綱(いづな)」、「妖術」
- 「魔法・魔術」の英訳→「magic arts」、「sorcery」
なお、宗教人類学の分野では、「magic」を「呪術」と訳しており、思想史や西洋史の分野では「魔術」と訳します。
「奇術」や「手品」
「マジック(magic)」の意味の一つ、「奇術」は、人間の錯覚や思い込みを利用して、実現不可能なことが起きているかのように見せかける芸能のことで、「手品」とも言い、古くは「手妻(てづま)」、「品玉(しなだま)」とも呼ばれていました。
「マジック(magic)」は観客数や、マジシャン(奇術師)との距離によって、次のように分類しています。
- クロースアップマジック:主にテーブルを挟んで、小人数の観客と向かい合って演じる奇術。
- ステージマジック:舞台上で大人数の前で行われる大規模な奇術。
- サロンマジック:クロースアップマジックとステージマジックの中間的な奇術。
また、「マジック(magic)」には、使用するアイテムによって、次のような種類があります。
- カードマジック(トランプなどを使ったマジック)
- コインマジック
- ロープマジック
- シルクマジック(絹のハンカチを使ったマジック)
マジック②複合語
「マジック・クアドラント(magic quadrant)」
「マジック・クアドラント」とは、業界最大規模のIT調査企業「ガートナー(Gartner)」が発表する指標のことで、企業が投資を検討したり、自社の方向性を見極めるために使います。
この指標は、特定のテクノロジー市場で競合した販売会社を、縦軸を「実行能力」、横軸を「ビジョンの完全性」とした「クアドラント(四分円)」上で、「リーダー(右上)」、「ビジョナリー(右下)」、「ニッチ(左下)」、「チャレンジャー(左上)」の4つに分類して、相対的な位置づけを示す視覚的なデータです。
「マジック・バレット(magic bullet)」
「マジック・バレット(magic bullet)」は、「魔法の弾丸」、「魔弾(まだん)」、つまり、発射すれば必ず狙った標的に当たる、百発百中の弾丸という意味です。
カール・マリア・フォン・ウェーバーのオペラ『魔弾の射手』(1821年初演)でモチーフとして使用し、広く知られるようになり、20世紀に入ると次のような比喩として用いられるようになりました。
- 「病気を治療する特効薬」
- 「難問を簡単に解決する特効薬」
マジック③「マジック・ナンバー」
「マジック・ナンバー(magic number)」とは、プロ野球の用語で、「他のチームの試合結果にかかわらず、Aチームがあと何勝すれば優勝が決定する」という勝ち数を意味しており、日本では「マジック」と略されます。
日本においては「A以外のチームの自力優勝可能性がなくなった」場合にのみ「マジック・ナンバー」を使用し、Aがこの条件を満たしたら「マジックが点灯した」、A以外のチームの自力優勝の可能性が復活した場合には「Aのマジックが消滅した」と言います。
アメリカでは野球以外のスポーツでも「マジック・ナンバー」が使われています。また、自力優勝の条件が満たされない場合でも「マジック・ナンバー」を用いるので、「マジック点灯」という概念もありません。
マジック④「マジック・インキ」
「マジック・インキ」は、日本を代表する油性マーカーのブランドの一つです。「マジック・インキ」は国民的ヒット商品となり、今日、「マジック」は日本においてフェルトペンの総称となっています。
日本では、「マジック」は消せないペンを指しますが、英語の「magic pen/marker」は、ホワイトボードマーカーのような消せるペンの総称で、消せないペンのことは「marking pen」、「felt-tip marker/pen」と言います。なお、ホワイトボードマーカー自体は、「dry erase pen/marker」と言います。