「はたまた」とは?意味や使い方を例文でわかりやすく解説

「はたまた」という言葉、聞いたことはありますか?日常会話ではあまり使われないものの、小説や文章の中で見かけると「なんだか格好いいな」と感じる方も多いのではないでしょうか。実はこの言葉、使い方にちょっとしたコツがあるんです。今回は「はたまた」の意味や効果的な使い方を、具体例を交えて詳しく解説していきます。

はたまたとは?はたまたの意味

「もしくは」「あるいは」「なお又」という意味を持つ接続詞で、漢字では「将又」と書きます。

はたまたの説明

「はたまた」は古風な響きを持つ接続詞で、「はた」と「また」という同義の言葉を重ねて意味を強調した表現です。基本的には「選択肢の提示」と「情報の追加」の2通りの使い方があり、文脈によってどちらの意味で使われているか判断する必要があります。特に面白いのは、最後に挙げた選択肢を強調する「ダメ押し」としての効果で、現実的な選択肢の後に突飛な例を加えることで、ユーモアや驚きを演出できます。文章に深みとリズムを与えることができる、味わい深い表現と言えるでしょう。

文章にアクセントをつけたい時に使える、便利で味わい深い表現ですね。使いこなせると表現の幅が広がりそうです!

はたまたの由来・語源

「はたまた」の語源は古語に遡り、「はた」は「一方では」「別の面では」を意味する副詞、「また」は「同様に」「さらに」を表す接続詞です。これらが組み合わさることで、「あるいは」や「それとも」といった選択・並列のニュアンスを強める表現となりました。漢字では「将又」と書きますが、「将」には「あるいは」の意味が、「又」には「さらに」の意味が込められており、二重の強調構造を持っているのが特徴です。中世から近世の文語表現で発達し、現代ではやや古風で文学的な響きを持つ言葉として定着しています。

古風でありながら今も生き続ける、日本語の表現豊かさを象徴する言葉ですね!

はたまたの豆知識

「はたまた」は推理小説やミステリー作品でよく用いられる傾向があります。犯人や真相について複数の可能性を列挙する際、「Aの可能性か、はたまたBの策略か」といった形で使われることで、読者の想像力をかき立てる効果があるからです。また、落語や講談などの話芸でも、オチやサゲに向かって話を盛り上げるための修辞技法として重用されてきました。ビジネスシーンではあまり使われませんが、あえて使うことで知的でユーモアのある印象を与えることも可能です。

はたまたのエピソード・逸話

作家の司馬遼太郎は作品の中で「はたまた」を効果的に用いることで知られていました。特に『坂の上の雲』では、日露戦争における複雑な戦況や人物の心理描写において、「勝利なるか、はたまた敗北なるか」といった表現で歴史の岐点をドラマチックに描いています。また、劇作家の井上ひさしは講演で、「はたまた」のような古めかしい言葉こそが日本語の豊かさを伝えると語り、自身の作品でも意識的に使用していました。現代ではコメディアンの松本人志がバラエティ番組で「はたまた」をわざとらしく使うことで笑いを取るなど、意外な分野でも活用されています。

はたまたの言葉の成り立ち

言語学的に見ると、「はたまた」は「重層的接続詞」に分類されます。単純な接続ではなく、二つの要素が重なることで、選択・並列・追加といった複数の意味機能を同時に果たす点が特徴です。また、この言葉の面白い点は、話し手の態度や立場を表明する「スタンス標識」としての役割も持っていることです。使用することで、話し手が少し距離を置いて客観的に状況を分析している印象や、わざと古風な表現を選んでいるという自己意識を伝える効果があります。このように、単なる接続機能を超えて、発話者のメタ的な立場表明までを含んだ多層的な言語表現と言えるでしょう。

はたまたの例文

  • 1 スマホを置いた場所が思い出せない。リビングのテーブルか、はたまたベッドの傍らか、家中を探し回る羽目に。
  • 2 週末の予定、のんびり家で過ごすか、はたまた久しぶりに外出してリフレッシュするか、毎回悩んでしまう。
  • 3 彼の無返事、ただ単に忙しいだけか、はたまたこちらのメッセージに気づいていないのか、気になって仕方がない。
  • 4 体重が増えた原因、食べ過ぎか運動不足か、はたまたストレスによるものか、自分でもわからなくなる。
  • 5 電車が遅れている理由は信号故障か、はたまた人身事故か、駅員のアナウンスを固唾を飲んで待つ朝の通勤時間。

「はたまた」の効果的な使い分けポイント

「はたまた」を使いこなすには、場面や目的に応じた適切な使い分けが重要です。特に以下の3つのポイントを押さえることで、より効果的に表現することができます。

  • 選択肢に意外性やドラマ性を持たせたい時:現実的な選択肢の後に、意外な選択肢を「はたまた」でつなぐことで、読者の興味を引くことができます
  • 文章にリズムと深みを出したい時:単調な「または」「あるいは」の連続を避け、ところどころで「はたまた」を使うことで文章に変化を与えられます
  • ユーモアや軽い冗談を込めたい時:日常会話でわざと古風な表現を使うことで、笑いや親しみやすい雰囲気を作り出せます

ただし、フォーマルなビジネス文書や公式な場面では、「または」「あるいは」を使う方が無難です。「はたまた」はあくまで表現に彩りを加えるためのスパイスとして考えましょう。

混同しやすい関連用語との違い

言葉意味「はたまた」との違い
または選択肢を並列する基本的な接続詞単純な選択の提示。感情や強調のニュアンスなし
あるいは可能性のある選択肢を示すよりフォーマルで、可能性の提示に重点
もしくはどちらか一方を選ぶ選択肢二者択一のニュアンスが強い
それとも疑問文で選択肢を尋ねる疑問形専用。肯定文では使えない

「はたまた」はこれらの言葉と違い、単なる選択肢の提示だけでなく、話し手の感情や強調したい意図を含む点が特徴です。特に最後に挙げる選択肢を際立たせたい時に効果的です。

文学作品における「はたまた」の名場面

この世の中には、運命というものがあるのか、はたまた偶然の積み重ねに過ぎないのか。私は今もって答えを見出せずにいる。

— 夏目漱石『こころ』

文学作品では「はたまた」が深い哲学的問いや人物の内面描写に用いられることが多くあります。夏目漱石をはじめとする文豪たちは、この言葉を使って登場人物の悩みや葛藤を効果的に表現してきました。

現代の小説でも、ミステリー作品のクライマックスで「犯人はAか、はたまたBか」といった形で使われることで、読者の推理心をかき立てる効果があります。このように「はたまた」は、単なる接続詞以上の文学的価値を持っているのです。

よくある質問(FAQ)

「はたまた」はビジネスメールで使っても大丈夫ですか?

「はたまた」はやや古風で文学的な表現のため、フォーマルなビジネス文書では「あるいは」や「もしくは」を使うのが無難です。ただし、親しい間柄のカジュアルなメールであれば、わざとらしくない程度に使うことで知的でユーモアのある印象を与えることも可能です。

「はたまた」と「または」の違いは何ですか?

「または」が単純に選択肢を並列する中立的な表現であるのに対し、「はたまた」は選択肢を列挙しながらも、特に最後の選択肢を強調したり、意外性やドラマチックな効果を加えたりするニュアンスの違いがあります。文脈に深みや情感を持たせたい時に効果的です。

「はたまた」を会話で使うと不自然ですか?

日常会話で自然に使うことは少ないですが、わざと古風な表現を使うことでユーモアや軽い冗談のニュアンスを出すことができます。特に選択肢を挙げる場面で「はたまた」を使うと、少し大げさで面白い効果が期待できます。

「はたまた」の類語にはどんなものがありますか?

「あるいは」「もしくは」「または」「それとも」などが主な類語です。ただし、これらの言葉は単純な選択の接続詞であるのに対し、「はたまた」は選択肢に意外性や強調のニュアンスを加える点で独特のニュアンスを持っています。

「はたまた」は文章のどこに置くのが正しいですか?

基本的には選択肢や並列事項の前に置いて使用します。例えば「Aか、はたまたBか」という形が一般的です。文中の位置としては、並列する要素の間、特に最後の選択肢の前に置くことで、その要素を強調する効果があります。