「ラディカル」の意味
「ラディカル」の意味には対極的な二つの意味があります。
1.「急進的な」、「過激な」
2.「根本的な」、「根源的な」
どちらも政治の場や思想について語られる時によく使われています。
「ラディカル」の使われ方
「あの政治家のやり方は、世論が傾くのも気にせずにラディカルだな」「彼はラディカルな事をいう時もあるけれど、勉強した上で言っているから聞かざるを得ない」
「今悩んでいる事を治すには、過去まで遡ってラディカルなカウンセリングをしなければいけない」「国際政治には、言葉の壁というラディカルな課題がある」といった使われ方があります。
似た文脈の中に登場する事も多いですが、しっかりとどちらの意味なのかを判断する必要があります。ここでは前半は「急進的」という意味、後半は「根本的」という意味です。
「ラディカル」の語源
ラディカルの語源はラテン語のradicis、radixという言葉であり、植物などの根っこを意味します。そこから転じて、「根本的な」、「根源的な」という意味になるのはすぐに納得がいくと思いますが、なぜ「急進的な」、「過激な」という対極的な意味も生まれたのでしょうか?
英語の語源辞典を参照すると、急進派の政治家はすぐに物事の核心に迫ろうとする=根っこを掴もうとするというところで、意味の繋がりがあるということが分かりました。確かに、物事の核心を追及する事は自分を押し通すという事でもあり、「過激なヤツだ」などと思われるかもしれませんね。
「ラディカル」の関連語・類義語は?
「ラディカル」は多少難しい場面や格式ばった文章で使われることの多い単語なので、ついでに関連語や類義語なども知っておくと、ニュースを見るときや議論の場などで役に立つかも知れません。
「radicalism」(ラディカリズム)
まず、関連語として知っておきたいのは、「急進的」な人たちや考えを総称して「急進主義」などとまとめて表現するときに使われる「radicalism」(ラディカリズム)です。これは「radical」に主義・信条を表す「ism」がくっついている名詞です。
「root」(ルーツ)
次に類義語ですが、根っこという意味の「root」という単語があり、こちらも「radical」と同じように、根っこの意味から転じて「根本的」、「核心」などの意味を持ちます。日本語で言う「ルーツを探る」などの「ルーツ」ですね。
「fundemental」(ファンダメンタル)
また、「根本的」という意味で「radical」と同じく形容詞として使える英語に「fundemental」(ファンダメンタル)という英単語があります。
「ラディカル」の対義語は?
では「ラディカル」の対義語には一体どんなものがあるでしょうか?
「trivia」(トリヴィア)
「根本的な」に対して「些細な」、「つまらない」の意味の単語は「trivia」(トリヴィア)です。2002年にフジテレビで放送された人気番組の「トリビアの泉」によって、豆知識や雑学の意味として広く普及した「トリビア」がこのtriviaです。
「moderete」(マァダレィト)
学問の用語としての「ラディカル」
化学の分野で「ラディカル」という時、不対電子を持つ原子や分子、イオンのことを指します。また、「フリーラジカル」、「遊離基」とも言います。
不対電子とは、通常は二つが対になって原子核の周りを回っている電子の、対となる電子を持たない単体の電子のことを言います。この不対電子は常に対となる相手を探そうとしているので、他の原子や分子、イオンから電子を奪おうとします。
普段吸っている酸素の中にも不対電子を持つ酸素(活性酸素)が含まれており、代謝活動によってもこの不対電子は作られていきますが、これが増えすぎると老化の進行を速め、生活習慣病にまで結びついてしまいます。美容・健康の分野では「ラディカル」はあまり身体に摂り入れたくないものとされています。
身体の中にラディカルが増える原因は、飲酒・喫煙排気ガスをはじめとした汚染物質や生活の乱れです。これを見直すとともに、酸化を抑える「抗酸化作用」を持つビタミンc・eやカロテノイドを多く含む食材を摂る事を心掛けましょう。