「きちんと」とは
「きちんと」の意味
「きちんと」には、以下の3つの意味があります。
- 十分に片付いて乱れていないさま。整っているさま。
- 正確で間違いのないさま。
- 規則や規律の正しいさま。
それぞれの意味は、1.整然 2.確実 3.几帳面 のカテゴリーに分類されます。今回はカテゴリーごとに使い方と類語をご紹介します。
整然の「きちんと」
整然の「きちんと」の意味と使い方
(意味)
- 整っているさま。充分に片付いて乱れていないさま。
(例文)
- 部屋をきちんと整理しておくこと
- きちんとした生活をする
整然の「きちんと」の類語
- ちゃんと
- しっくり
- 一糸乱れず
確実の「きちんと」
確実の「きちんと」の意味と使い方
(意味)
- 正確に間違いなく
(例文)
- 勘定をきちんと払う
- きちんと七時に集まる
確実の「きちんと」の類語
- ちゃんと
- きっちり
- きちんきちんと
確実の「きちんと」には上記の副詞以外にも、「確かに」「確実」「正確」という名詞と形容動詞の類語があります。「はっきりして間違いがないこと」を表す言葉になりますが、「確かに」は主観的に間違いが無いと判断する場合に多く使われ、「確実」はこれが実体とはっきり認識することに意味があり、「正確」はある規範に照らして間違いないと認める場合に使われるという用法上の違いがあります。
几帳面の「きちんと」
几帳面の「きちんと」の意味と使い方
(意味)
- 規則や規律の正しいさま
(例文)
- 時間をきちんと守ること
- 薬はきちんと飲みましょう
几帳面の「きちんと」の類語
- ちゃんと
- ちゃんちゃん
- 規則的
「きちんと」と「ちゃんと」
「きちんと」と「ちゃんと」の違い
「きちんと」の3つの意味の類語として「ちゃんと」という副詞がどの意味の時にも必ず登場しています。そのことから「きちんと」と「ちゃんと」は全く同じ意味の言葉だといえます。語意的には同じであるもののその用法に大きな違いがあります。
「きちんと」は書き言葉(文章で使用される言葉)で、「ちゃんと」は話し言葉(日常会話で使われる言葉)になります。「きちんと」は主に書き言葉として使われ、また話し言葉として使うことも可能ですが、「ちゃんと」は話し言葉のみであり、文章を書く場合にはきちんと「きちんと」に書き直す必要があります。
書き言葉と話し言葉
「きちんと」と「ちゃんと」のように、言葉には書き言葉と話し言葉があり、特に文章にする場合には話し言葉を書き言葉に訂正するなど気を遣う必要があります。主な副詞の書き言葉と話し言葉の違いをいくつかご紹介しておきます。左側が書き言葉で、右側が話し言葉になります。
- きちんと ⇔ ちゃんと
- 少し ⇔ ちょっと
- 多く ⇔ いっぱい
- さらに ⇔ もっと
- やはり ⇔ やっぱり
- おそらく ⇔ たぶん
- 急速に ⇔ どんどん
- ようやく ⇔ やっと
- 常に ⇔ いつも
「きちんと」の英語表現
<整頓して><整った様子>を表す言葉としては「neatly」「tidily」があります。<正確に>という意味では「accurately」「exactly」、<規則正しく>は「regulariy」、<適切に>では「properly」などの言葉が使われます。日本語の「きちんと」も3つの意味がありますので、英語表現でも状況に応じた使い分けになるようです。