「おっとり」とは?
「おっとり」とは、人柄や性格、態度、しぐさなどが、ゆったり、のんびりと落ち着いていて、小さいことにはこだわらないようすを指す言葉です。「おっとりと構える」、「おっとりした性格」のように使われます。
「おっとり」例文
- 祖母は、裕福な家庭の一人娘で、とても大切に育てられたと聞いている。年を重ねても、いつも優しく、おっとりとしていた。
- 今年の新入社員は、ずいぶんおっとりした人が多いね。就職活動は、それほどたいへんではなかったのかな?
- 先日、来日した某国の王族は、さすがに育ちが良いだけあって品も良く、おっとりとしていた。
「おっとり」の類語
「おっとり」に似たような言葉としては、「鷹揚(おうよう)な」、「悠然(ゆうぜん)とした」、「落ち着いている」、「ゆったりしている」などが挙げられます。
「鷹揚」とは?
「鷹揚」とは、鷹が飛揚(ひよう)する、つまり空をゆったりと飛んでいるように、ゆったりと落ち着き、悠然としているようすを表します。「鷹揚に構える」、「鷹揚な態度」のように使われます。中国最古の詩集である『詩経(しきょう)』が由来と言われています。
日本では、落ち着いていて物事にこだわらないようすを表す言葉として、もともと「大様(おおよう)」の字があてられていましたが、近世になって、「鷹揚」の文字が使われだしたようです。
「おっとり」英語での似ている表現
- calm:静かな、穏やかな
- gentle:温和な、穏やかな、優しい
- quiet:静かな、穏やかな
- composed:平穏な、落ち着いた
- generous:寛容な、寛大な
- easy going:気楽な、鷹揚な
- laid back:ゆったりとした
- placid and suave:落ち着いていて、人当たりが良い
- mild mannered:穏やかなふるまいの、落ち着いたふるまいの
私の母は、とてもおっとりした人です。
「おっとり刀」とは?
「おっとり刀(おっとりがたな)」とは、取るものも取りあえず急いで駆けつけるようすを表した言葉です。「押っ取り刀」とも書かれ、「押っ取り刀で飛び出す」「押っ取り刀で駆けつける」のように使われます。
「押っ取り」は、「急いで手に取る」、「勢いよくつかみ取る」という意味の動詞「押っ取る」から来ている言葉です。
このため、「おっとり刀」は、刀を腰に差す時間もなく、手に持ったまま駆けつける、という意味になります。人柄を表す「おっとり」とは違う意味の言葉なので、注意をしたほうがよさそうです。
おっとりした女性の特徴
【感情表現が穏やか】
激しく怒ったり、大声を出したりすることがあまりありません。笑うときも、静かににこにこと笑っていることが多いようです。
【ゆっくりしゃべる】
ゆっくり話し、言葉使いがていねいで、聞き上手なことも多いようです。また、動き方もゆっくりしていて、慌てるようなそぶりはありません。
【天然なところがある】
いっしょうけんめいにやっているようでも、どこか間が抜けたところがあったりします。そのギャップが、周りの人たちから愛されます。
「癒し系」と言われることも多く、女優の綾瀬はるか(あやせはるか)さん、深田恭子(ふかだきょうこ)さん、石田ゆり子(いしだゆりこ)さんなどが例として挙げられます。
おっとりした男性の特徴
【気遣い上手】
穏やかで、度を越した自己主張をすることがありません。周りの人を批判したり、攻撃したりすることもあまりなく、周りを気遣い、聞き上手なことも多いようです。
【裏表がない】
自然体で、周りの意見も聞くことができます。裏表がなく、みんなに公平に接することができます。
芸能人では、アイドルグループ嵐(あらし)の大野智(おおのさとし)さん、俳優の堺雅人(さかいまさと)さん、俳優の坂口健太郎(さかぐちけんたろう)さんなどが例に挙げられます。