「新語」の意味や使い方
「新語(しんご)」は新造語(しんぞうご)とも言い、新しく作られ、用いられるようになった単語のことです。「新語を造る」というように使います。
それまで存在しなかったまったく新しい語を創造することは極めて少なく、多くは合成や省略など既成の語から作られたり、外国語や方言の音をベースにしたりします。また、広い意味では既存の単語に新しい意味を付加したものもこれに含まれます。
例えば、現在では「タンク(tank)」は水槽など液体を入れる容器の意味で使いますが、本来は第一次世界大戦の際に造られ始めた「戦車」をさす言葉でした。四角い形状が似ていることなどから新しい意味(この場合、水槽)ができました。
「新語」の成立
「新語」の発生するきっかけには、以下のようなものがあります。
- それまではなかった物や、新しく問題になった概念を表現する目的…パソコン、新幹線、公害、など。社会的に大きく物や概念が変化したことによる理由が大きいです。
- 同じことがらのイメージを新鮮にする、悪いイメージを良いイメージに変換する目的…「アパート→マンション」、「便所→トイレ」、「するめ→あたりめ」など。
- 同音異義語を区別する目的…「私立(わたくしりつ)と市立(いちりつ)」、「科学(かがく)と化学(ばけがく)」など。
流行語
「流行語(りゅうこうご)」は、なにかのきっかけで急に用いられるようになり、ある期間だけ好んで用いられる単語、句、文などのことです。
「新語」との厳密な区別は難しく、例えば「斜陽族(しゃようぞく。第二次世界大戦後の没落階級のこと)」は、1947年発表の太宰治の小説『斜陽』の人気から流行語になりました。
さらに1951年にそれをもじった造語「社用族(しゃようぞく。社用にかこつけ、社費で役得する人たちのこと。接待費や交通費を私用で使うこと)」が生まれ、これも流行語になりました。二つとも広辞苑などに名詞として掲載されています。
平成に入ってからは、時事ネタ、若者言葉、ネットスラングなどが流行語として日々生まれています。もちろん定着せずすぐに消えてしまうものが大多数ですが、こうしたことが今後さらに増える見込みです。
「新語」の2018年の例
「新語」と言うと、毎年12月に三省堂の主催によって公募および選定が行われる、各年を代表する「新語」
- 「今年特に広まった」と感じられる言葉。(今年に作られたかどうかではない)
- 自分自身や周りの人が、ふだんの会話等でよく使うようになった言葉。
- 流行語や時事用語、新しい文物でもかまいません。
2018年の新語
公募と選定の結果、2018年は以下が「今年の新語」として選ばれました。
- 大賞「ば(映)える」
- 2位「モヤる」
- 3位「分かりみ」
- 4位「尊い」
- 5位「VTuber」
- 6位「肉肉しい」
- 7位「マイクロプラスチック」
- 8位「寄せる」
- 9位「スーパー台風」
- 10位「ブラックアウト」
- 選外「そだねー」、「半端ないって」
「新語」の英語
「新語」の英語表現は以下のとおりです。
- a new word、a neologism(新語)
- a newly-coined word(新造語)
- coinage(新語を作ること)
- a coined word(作られた言葉)
- a nonce word(間に合わせの言葉)
- an new expression(新表現)
- a vogue word、a word on everyone's lips、buzzword(流行語)
【用例】
- 新語を作る…coin a new word
- 造語する…coin a word
- 造語法…word formation
- 「国際化」が80年代の流行語であった…"Internationalization" was the buzzword of the 80s.