目次
英単語「contrast」とは
~著しく異なっているものの対照や対比~
「contrast」という英単語の意味は、「対照」や「対比」という意味で使用されます。例えば、名詞として使われる場合の「The contrast between A and B」は、「AとBの対照」として使われますし、動詞として使われる場合には、「contrast two things」、「二つのものを対比する」として使われます。基本的に「例文に入るAとB」や「Two things」に入るものは、全くことなるものですから、たとえば、「白と黒」、「光と影」などです。
カタカナ語としての「コントラスト」
コントラストとは、辞書的な意味では、単に「対照や対比」、「写真やテレビ画像の明るい部分と暗い部分の明暗の差」とされていますが、語源を考えてみますと、カタカナ語として文章にして使用する場合には、英語と同様の意味合いとして使うのではっきりと異なるものを並列に並べて使用するのが適切です
テレビやスマホ画面の「コントラスト」
~明るさの幅~
しかし、テレビなどの画面の明るい、暗いの設定は対比させるものというより、あくまでも「調整」です。最大が「黒」で最低が「白」というイメージで、その間もあります。テレビ画面などでいう「コントラスト」は「明るさの幅」という意味合いが強いようです。
「コントラスト」の使い方①~ポジティブな対比~
ここまで、「コントラスト」の意味についてご説明しましたが、ここでなんとなく見えてくるのが、普段皆さんが言葉に発している「コントラスト」の意味の方向性です。
そのコンタクトレンズを使うと目の黒い部分と白い部分がくっきりしてかわいいね。
相手がコンタクトレンズを使用した際に生まれる美しさを表していますよね。ここでは、相手の目の「黒」と「白」の色の差を美しいと相手を褒める言葉になっているわけです。
このビールの琥珀色と泡の白が、のどを鳴らすね。
対比される全く異なる色なのにも関わらず、「のどを鳴らす」=飲みたくなる。前向きな言葉ですよね。
やっぱり富士山は雪化粧だね。山頂付近の白、そして、そこから下の黒とのコントラストが富士山らしいよね。
こちらも「黒」と「白」の対比ですが、全く異なるものなのに、その差がとてもいいという富士山に対する褒め言葉です。
「コントラスト」の使い方②~色だけでなく状態にも~
ここまでの「コントラスト」の使用例は「色」でした。テレビなどの調整に使用する「コントラスト」も色です。しかし、物などの全く異なる状態の対比にも使うことができます。
甘さのあるあんことしょっぱさのある塩のコントラストが堪らないね。
今回の例文は「味」です。食べた時に感じる味覚に対する表現で、「甘さ」と「しょっぱさ(塩辛い)」という食べ物の相反する状態に使用しており、とても美味しいんだということを表現するために「コントラスト」という言葉を使っているわけです。
ベースの低くい音とギターの高い音のコントラストがこの曲のいいところだよね。
ここでは、聴覚について、「音の高い」と「音の低い」という正反対の音を「コントラスト」という表現を用いることによってより、ただ、いい曲なんだ。と伝えるより、より具体的にその曲の良さを伝えることができています。
外はカリカリ、中はフワフワの揚げまんじゅうの食感のコントラストが美味しさを引き立てますね。
ここでは、味ではなく、相反する「食感」や「触覚」に対して使われている「コントラスト」です。これも相反するものを敢えて表現し、「コントラスト」という言葉を使って見事に表現できています。
「コントラスト」まとめ
やはり、表現力豊かな語彙が増えるということは、言葉の引き出しが増えるという楽しみでもあります。今回は、「コントラスト」について説明しましたが、しっかりと言葉の意味を理解しシチュエーションによって使い分ければ、言葉に深みが出て、より相手に自分の思いや感じたことを伝えることができます