暗黙のルールとは
暗黙のルールとは、明文化・明言されていないルールやしきたり、規則などのことをいいます。英語で「An unspoken rule」と表記されます。
暗黙とは「意思を外面に表さないこと」「黙って言わないこと」という意味の熟語です。そして暗黙のルールは、特定の集団や集団の秩序を守るために慣習的に守られてきたルールです。つまり、その集団の中でしか通用しない暗黙の決まり事なのです。
ですから、たとえばA社では常識的に守られている暗黙のルールも、B社では一切通用しないということがあり得ます。
暗黙のルールの使い方
【例文】
- あの人が腕を組み始めたら怒っているサインだから、話しかけないのが暗黙のルールだ
- 私は新人だから、そんな暗黙のルールなんて知りませんでした
一般的に暗黙のルールには、明文化・明言されない相応の理由が存在します。たとえば前者の例文のように、「◯◯さんが腕を組み始めたら話しかけない」などという個人的な対応は、社内規則には組み込めませんよね。
また、特定の個人や企業に便宜を図るといった、イレギュラーな対応やコンプライアンスに反する行為なども、明文化できないルールのひとつでしょう。
ほかにも、運用上、絶対に必要ではないけれどこうした方がよいと判断されている運用法なども暗黙のルール化されている場合があります。
暗黙のルールの類語・同義語
暗黙のルールの類語・同義語には以下のようなものがあります。
- 不文律…明文化されていない法律
- 暗黙の了解…言葉を発しないまま当事者間で了解が得られているさま
- 紳士協定…証文などに頼らず当事者間の信用において結ぶ協定
- 約束事…当事者間の取り決めの内容
- 家訓…家に伝わる教訓
- 慣例…当たり前とされているしきたり
- 因習…古くから伝わる弊害を生むしきたり
色々な暗黙のルール
これまで説明してきた通り、様々な業界において暗黙のルールは存在します。ここでは色んなジャンルにおける暗黙のルールの一部を紹介していきます。
野球の暗黙のルール
野球における暗黙のルールは、主に相手選手やチームに敬意を表するために設けられています。
- ホームランを打っても立ち止まってボールの行方を追ったり、大げさにガッツポーズを取ったり、わざとゆっくりダイヤモンドを回ってはいけない
- ノーヒットノーランや完全試合を阻止するためにバントをしてはいけない
- 捕手のサインを盗み見てはいけない
サッカーの暗黙のルール
サッカーはボールがピッチ外に出ない限り、プレイが中断できないため下記のような暗黙のルールがあります。これらを守らないことはスポーツマンシップにも反します。
- 選手が負傷しピッチ内で倒れているときは、相手チームはプレイを中断し、タッチラインの外へボールを蹴りだす
- 選手が負傷してプレイを中断してもらったチームは、プレイ再開時に相手チームにボールを渡す
プロレスの暗黙のルール
プロレスは、相手の攻撃を真正面から受け、どちらかが力尽きるまで戦い勝敗を決めることを前提としたエンターテイメントです。そのため試合を盛り上げるための暗黙のルールがあります。
- ロープに投げられると帰ってくる
- 反則は5カウント以内に解除すれば許される
ジャニーズコンサートの暗黙のルール
- うちわは公式サイズを守る
- 公演中はおしゃべりをしない
ジャニーズうちわ公式サイズは、縦28.5㎝×横29.5㎝と定められています。これは他人の邪魔にならないように決められたルールです。うちわを持つ枚数に制限はなく、サイズを守れば何枚も組み合わせてもよいことになっています。
またジャニーズコンサートに限ったことではありませんが、公演中の話し声は周囲の人の集中力を奪ってしまい迷惑をかけてしまいます。公演中はステージに集中し、他人の迷惑にならないよう配慮するのが暗黙のルールです。
コスプレの暗黙のルール
- 着替えはイベント会場に着いてからする
- キャラクターのイメージを損なうことをしない
コスプレ衣装のまま公共の交通機関で移動をすると、他者を驚かせてしまうことがあります。コスプレのイメージを悪化させてしまうことがあるので、許可なく公共の場でコスプレするのはマナー違反です。
加えてコスプレは様々な場所で行いますが、そこには子連れの方たちもいます。そこで子どもに人気のあるキャラクターが、乱暴な言葉遣いやマナー違反をしていると、子どもの夢を壊しかねません。