「プロポーション」の意味
「プロポーション」は美術や写真、デザイン用語で、比率や均整、割合を意味します。「プロポーションのとれた体」「プロポーションのいい女の子」などのように主に人の体に対する表現として使いますが、建物や彫刻、絵画などにも使われます。
プロポーションの比率や割合とは
ミロのヴィーナスやパルテノン神殿などには近似値1:1.618の黄金比がみられます。最も美しく見える比率だといわれていますから、まさに「完璧なプロポーション」といえます。
ミロのヴィーナスであればへそを中心として頭頂部までと床までの長さ、パルテノン神殿であれば正面の縦と横のように部分同士の大きさを比べています。
また、8頭身や9頭身、なかには10頭身のモデルさんもいますが、彼らは「プロポーションが優れている」と表現できます。この場合、身長における頭が占める割合(全体から見たある部分の割合)を意味し、その小ささが評価されているわけです。
「プロポーション」の使い方
「プロポーション」は多くの場合、人や人のかたちをしたものの体の均整に関して使われる言葉です。「あの建物はプロポーションがいいね」とは普段言いませんよね。そういうときにはむしろ「バランスがいい」などと表現します。
プロポーションの使い方:体のかたち
「プロポーション」は本来、体全体とそれぞれのパーツの釣り合いがとれていることを表現する言葉ですが、日本語表現ではよくこれとは別のニュアンスで「プロポーション」が使われます。
- 私は自分のプロポーションに自信がありません。
- 私は自分の体型に自信がありません。
- 私は自分のスタイルに自信がありません。
「体型」や「スタイル」と置き換えても違和感がないほどに、「プロポーション」は日常的に「体のかたち」という意味で使われているのです。
英語で「体のかたち」を表現すると
英語では「proportion」も「style」も「体のかたち」という意味では使われません。「style」は「様式、型、文体」という意味が基本なので、魅力的な容姿の人がいても「nice style」と褒めることはありません。
その場合には「姿や体型」を表す「figure」を用いるのが一般的です。上記の例文を英訳すると次のように表現できます。
- I have no cofidence in my figure.
「プロポーション」の英語での意味と使い方
では「プロポーション」は英語ではどのような意味で使われるのでしょうか。大きく4つの意味に分けてそれぞれ例文で見ていきましょう。
- The proportion of boys to girls in this school is three to two.(この学校の男女比率は3対2だ)
- There is the door out of proportion the room.(部屋と調和していないドアがある)
- The country has an economic problem of great proportions.(その国は大きな経済問題を抱えている)
- A large proportion of the population is well educated.(国民の大部分は十分な教育を受けている)
1では「大きさや数量の割合」、2では「均衡や調和」、3では「大きさや重要性」、4では「部分や分け前」といった意味合いでそれぞれ使われています。
ちなみに体の均衡に関しては2の意味で形容詞や複数形で用いられます。
- She has a perfectly proportioned body.(彼女は完璧なプロポーションの持ち主だ)
- There is a girl with fine proportions.(プロポーションのいい女の子がいる)