「スクラップ」の意味
「スクラップ」と聞くと、廃車や駄目になった機械を思い浮かべる方もいるかもしれません。「スクラップ」は、「scrap」という英語であり、「破片」や「切り屑」などの意味があります。
日本語としては、主に二つの意味で使われています。まず、①新聞・雑誌などの切抜き、また、それを切り抜いて整理することという意味です。もう一つが、②金属の廃棄物や屑鉄(くずてつ)という意味です。
- 新聞のスクラップが日課だ。
- スクラップには複数の金属が混じっていて、処理が大変だ。
一つ目の例文は①の切抜きの意味、二つ目の例文は②の金属の廃棄物の意味で「スクラップ」を使っています。また、俗的な用法として、大破するなど修理の見込めない車などの機械のことを指して「スクラップ」という場合もあります。
「scrap」の意味
名詞として使用される場合
①破片、切り屑、切れ端
――彼女はそれを一片の紙切れに書いた。
②新聞などの切り抜き
――新聞の切り抜きは、情報の保管場所の一つだ。
③廃物、がらくた、屑鉄
――くず紙
④食べ残し
――食べ残しを捨てないで!
⑤(口語として)喧嘩
動詞として使用される場合
⑥(・・・を)くずとして捨てる、解体する
――車をスクラップにした。
⑦(計画などを)反故にする、やめにする
「スクラップ」を用いた言葉
「スクラップブック」とは
「スクラップブック」(scrapbook)とは、新聞や雑誌の記事などを切り抜いたものを貼っておく帳面のことです。いわゆる切抜き帳のことを指します。
目的は様々で、新聞などの記事の保存だけではなく、趣味のものを切り貼りしてアルバムにする場合や、芸術家や専門家の資料集めに使われる場合もあります。
「スクラップ・アンド・ビルド」とは
「スクラップ・アンド・ビルド」(scrap and build)とは、老朽化した設備などを廃棄し新しい設備を設けること、またそれによって効率化を図ることを意味します。
また、特に組織について「スクラップ・アンド・ビルド方式」と呼ばれる場合は、組織の新設に際して同等の既存組織を改廃し、全体的な規模の膨張を抑制することを意味します。
この「スラップ・アンド・ビルド」という言葉は、羽田圭介氏の小説『スクラップ・アンド・ビルド』(2015年)のタイトルにもなっています。また、映画『シン・ゴジラ』(2016年)内のセリフとしても登場しました。
一般的に用いられる場合の意味としては、「既存のものをやめにして、新しいことをする」といったニュアンスで使われることが多いようです。意味をおさえておくと、作品がより深く味わえるかもしれませんね。