「兼ねる」とは
「兼ねる」(かねる)とは、1つの物が2つ以上の働きをする、または1人が2つ以上の役割や仕事をするなど、1つで2つ以上の働きをするという意味です。
「兼ねる」の使用例
- このソファーはベッドも兼ねる優れものだ
- 彼女は母親、妻、会社員の三つを兼ねていた
- 仕事を兼ねて観光も楽しむ
- 低コストと景観の良さを兼ねた素晴らしいプランです
- この二つを一人で兼ねた方が手間が少なく済む
大は小を兼ねる
「兼ねる」という言葉を用いたことわざで、「大は小を兼ねる」というものがあります。「だいはしょうをかねる」と読みます。
大きいものは小さいものの代わりにもなる、大きいものの方が(小さいものを含んだ)幅広い役割をこなせる、という意味です。
何かを選ぶのに大きさで迷った場面などで、大きい方を選ぶといいですよ、というアドバイスとしてもよく使われます。
他の動詞の連用形に付く形としての「兼ねる」
「兼ねる」は、他の動詞の連用形に付けて使われることもあります。この場合の意味は、~することは難しい、~しようとするが出来ない、などです。
また、他の動詞の連用形に「兼ねない」という形で付けると、~しそうである、~するかもしれない、という意味になります。
これらは、ひらがなで「~かねる」と表記されることもあります。
他の動詞の連用形に付く形の「兼ねる」の使用例
- 申し訳ありませんが、それは出来兼ねます
- 彼の言っていることはあまりにも難解で、私にはわかり兼ねる
- 激しい雨で見通しが悪い為、これ以上は進みかねます
- 彼女は今にも「彼と別れる」と言い出し兼ねない様子だった
- 風が強すぎて洗濯物が飛ばされ兼ねない
- 激しい雷雨でけが人が出かねないこといから、今日の開催は見送られた
見兼ねる
「~兼ねる」の仲間に、「見兼ねる」(みかねる)という言葉があります。平気で見ていられない、見ていて安心できない、傍観していられない、という意味です。「見るに見兼ねる」とも使われます。
- 子どもの危なっかしい様子を見兼ねて忠告する
- あまりの痛々しい様子に、見るに見兼ねて声をかけた
- 粉雪の中、寒そうに凍える子犬を見兼ねて連れて帰ることにした