「ブーメラン」とは?
「ブーメラン」の元の意味
「ブーメラン」とは遊牧民族や先住民が使用していた武器です。ひらがなの「へ」の形をしていて、相手に投げつけて攻撃します。「ブーメラン」の特徴は、相手に当たらなかった場合に自分のところに戻ってくることです。そのため、手元に戻ってくるもののたとえとして使われることがあります。
「ブーメラン」のネット用語としての意味
「ブーメラン」はネット用語では次のような意味をもちます。
- 誰かに対する批判や悪口がそのまま当人にあてはまる。
- いろいろやってみたけれど、結局元通りに戻ってしまう。
- 良かれと思ったのに、かえって悪化させてしまう。
主に1の発言が自分に戻ってくるという意味で使われます。元はネットスラングでしたが、安部首相が使ったことから一般的な語彙とみなされ始めています。
「ブーメラン」の使い方
「ブーメラン」は「帰ってくる」や「戻ってくる」、「描いている」などの動詞とセットで使われます。あるいは、複合名詞を作り、「ブーメラン発言」や「ブーメラン国会」などと使われることもあります。それぞれ、自分の過去の批判が自分にも当てはまっている状態や、その釈明に追われる国会の議論を指します。
基本的に「ブーメラン」は発言者自身がダメージを受ける状況、悪い意味でしか使われません。また、辛辣な発言や悪口などでダメージが大きい場合、「特大ブーメラン」という言葉使われます。
「ブーメラン」の例文
- 汚職や不正を厳しく批判していた議員だったが、自分にも不正があったことが明るみになってきた。ブーメラン国会が続きそうだ。
- 歯に衣着せない物言いで人気の彼女だが、今回は「オブラートに包め」と発言していた。今回の言葉もブーメランを描いている。
- 「母さんが父さんの料理についてぐちぐち言ってたじゃない。今夜母さんが料理したら夕食炭になったよ。」「あー、ブーメランだねー。」
「ブーメラン」の類語と意味
おまいう
「おまいう」はお前が言うなの略語です。「ブーメラン」同様、悪口や発言が自分自身にも当てはまる場合に使われます。
違いをあえて述べるとすれば、「おまいう」は発言したその時点であてはまる場合にのみ使われ、「ブーメラン」は発言時点であてはまらないこともあるということでしょうか。
自爆
「自爆」は本来「自分を爆破すること」ですが、スラングとしては「自分の言動で自分自身が不利益を被る」という意味で使われます。「ブーメラン」との違いは、「ブーメラン」が発言に限定される一方、「自爆」は行動を表すことが多いという点です。
自業自得
「自業自得」は自分が行った悪事のせいで自分が苦しむことです。自分がしたことの報いは自分が受けるという言葉です。「ブーメラン」と意味合いは同じですが、仏教由来のこちらの方がはるかにフォーマルです。同義語に「自作自受(じさじじゅ)」や「因果応報」があります。
自縄自縛
「自縄自縛」は自分の発言や心がけのせいで、自由に動けなくなり、苦しむことを指します。「自業自得」や「ブーメラン」が自分の批判が自分にあてはまることを表すのに対し、「自縄自縛」は自分の批判が自分にあてはまることを恐れて行動できないことを指します。
やぶへび
「やぶへび」は「やぶをつついて蛇を出す」の略語で、余計なことをしてかえって悪い結果を出すことに使われることわざです。「身から出たさび」という類語があります。
「ブーメラン」を英語で
「ブーメラン」は英語で「boomerang」や「backfire」となります。どちらも発案者や発言者に害を及ぼす、やぶへびになるという意味の動詞です。