「戒め」とは?
「戒め」には複数の意味があります。
- 前もって注意すること。また、その言葉。訓戒。
- 過ちを犯さないようにこらしめること
- しばること。また、その縄。
- 禁錮。監禁。処罰
- 用心すること。警戒。
全体的に「注意すること」や「罰」といった意味が含まれています。「戒」には、「戒律」といった言葉があるように、仏教用語で「仏道を修める者の守るべきおきて」という意味があります。道を外れないよう守るべきことといった意味合いが「戒」にはあります。
「戒め」の使い方
格言の説明などで「これは戒めの言葉です」といった風に使われる時は「失敗しないように前もって注意すること」という意味で使われます。
- 君はもっと親の戒めを守るべきである。
- 授業で習った格言を自分への戒めとして心に刻んだ。
また「戒め」は、「同じ過ちを繰り返さないためにこらしめること」といった意味合いでも使われます。
- 戒めに外出を禁じられた。
- 先生から戒めとして廊下に立っているよう言われた。
- 今回の事故を戒めにして生きることにするよ。
「戒め」の英語表現
「教訓」といった意味で使われる時の「戒め」は、英語では"lesson"で表します。"lesson"は「学課、授業」といった意味の言葉ですが「教訓、訓戒」といった意味も含まれます。
「警告」の意味で使われる「戒め」は"warning"で表現することができます。「警告、警報、注意」といった意味を持つ言葉です。
「戒め」の類語
「忠告」
「忠告」は「過ちや欠点を直すように真心をこめていさめること。そのことば。」という意味があります。「失敗しないように注意すること」として使われる「戒め」の類語になります。
- 医者に飲酒を控えるように忠告された。
- 彼は私の忠告を無視して、株に手を出し失敗した。
「諌める」
「諌める」とは「主に目上に人に対して、その過ちや悪い点を指摘し、改めるように忠告する」という意味の言葉です。「戒め」と同じように「他人の過ちに忠告や助言をする」という意味で使われます。
- 孟子は仁者無敵を説いて恵王を諌めた。
「諭す」
「諭す」は「目下の者に物事の道理をよくわかるように話聞かせる。納得するように教えを導く」という意味の言葉です。「神仏が警告する。告げ知らせる」という意味も持つ言葉です。
- 先生が生徒にもっと集中して勉強に取り組むよう諭した。
「戒め」となる言葉
「過ちては改むるに憚ること勿れ」
「過ちては改むるに憚ること勿れ(あやまちてはあらたむるにはばかることなかれ)」とは「過失を犯したら、ためらうことなくすぐに改めよ」という意味のことわざです。「なかれ」は「なし」の命令形で、禁止のことを表します。
人は誰も過ちを犯すものだが、その過ちはただちに改めなくてはならないという戒めの言葉です。『論語』の「学而」に「過ちては則ち改むるに憚ること勿れ」とあるのが由来とされています。
- 過ちては改むるに憚ること勿れだ。言い訳をするよりも、同じ過ちを繰り返さないようにすることが大切である。
「己の欲せざる所は人に施す勿れ」
「己の欲せざる所は人に施す勿れ(おのれのほっせざるところはひとにほどこすなかれ)」とは「自分がして欲しくないと思うことは他人にもしてはならないということ」を意味することわざです。人を戒める言葉や自戒の言葉としても使われます。
『論語』の「顔淵」で孔子が弟子の仲弓から「仁とは何か」と問われた時に、答えた言葉が由来になっています。
- 自分がしたくない仕事を人に押し付けるのはやめよう。己の欲せざる所は人に施す勿れである。