「キャスト」の意味
「キャスト」は英語の"cast"を基にしたカタカナ語です。"cast"は様々な意を持つ単語ですが、カタカナ語として用いられる場合は、主に以下のような意味に限定されます。
- 振り当てる
- 放つ
- 鋳造する
キャスト:振り当てる
カタカナ語として最も使用頻度が高いのが、振り当てることから派生した「配役」という意味の「キャスト」でしょう。
配役が豪華な場合に"豪華キャスト"と言ったり、配役が下手だと思うときは"ミスキャスト"と表現したりしますね。また映画や演劇、テレビドラマにおいては、「俳優」や「女優」という意味でも用いられます。
英語の"cast"も同じく「配役」の意味を持ちますが、名詞として使用される場合には「様子、格好、気質」といった意味も表します。
ディズニーランドのキャスト
ディズニーランドでは従業員のことを「キャスト」、来場者を「ゲスト」と呼びます。これはディズニーの生みの親であるウォルト・ディズニーが、ディズニーランドをステージに見立てたことによるものです。
つまり来場者は観客、そして従業員はステージ上で役割を演じるキャスト(共演者)だということですね。
キャスト(配役)の類語
配役・俳優・女優の類語には「バイプレーヤー」が挙げられます。脇役を意味する言葉ですが、とくに人気や実績のある脇役メインの俳優を、端役や知名度の低い脇役と区別する目的などで「バイプレーヤー」と称します。
キャスト:放つ
「放つ」という意味の「キャスト」は、日本ではとくに魚釣りにおいて使用されています。釣りにおける「キャスト」あるいは「キャスティング」とは、「仕掛けやルアーを投げ込むこと」です。
また、「放送」を意味する「ブロードキャスト」という言葉もあります。"broadcast"は放送・放映するという意味の英単語ですが、IT用語としては「相手を指定せず、ネットワークに参加するすべてのホストに対してデータを送信すること」という意味を持ちます。
携帯端末における「キャスト」
近年スマートフォンなどを利用する際にも「キャスト」という言葉が用いられることがあります。この場合は「画面のキャスト」というもので、端末のスクリーンをテレビにそのまま表示する機能のことを言います。一度に一人しか見ることのできない情報を大画面に写すことにより、同時に複数人と共有できるのです。
キャスト(投げる)の英語例と類語
- cast a stone(石を投げる)
- cast a net(網を打つ)
- cast one's ballot"(投票する)
キャスト:鋳造する
誰にでも馴染みのある言葉ではないでしょうが、「鋳造・注型」の意味でも「キャスト」が使われています。たとえば金型鋳造ならダイキャスト、常温鋳造法はコールドキャストと呼ばれます。
ちなみに入れ歯の製作などに使われる、合成樹脂の成型方法はレジンキャストといいます。レジンといえば、ここ数年注目を集めているのが、紫外線により硬化する「UVレジン」です。
UVレジンは紫外線照射器さえあれば素人でも簡単に成型できるため、ハンドメイドのアクセサリー作りに活用され、女性を中心に人気が高まっています。
キャスト(鋳造)の類語
「鋳造する」という意味の"cast"の類語としては、"mint"という単語が該当します。しかしこの"mint"は「貨幣を鋳造する」という意味であり、「銅像などを鋳造する」という意味では用いられません。"mint new coins"で「新しい貨幣を鋳造する」となります。