「語彙力」とは?意味や使い方をご紹介

最近よく聞く「語彙力」という言葉。一体どういう意味なのか、みなさんは本当に正しく理解していますか?日本語をたくさん知っている人イコール語彙力のある人ではありません。今回は語彙力を決定づける要素は何か、「語彙」の分類の紹介とともに詳しく解説します。

目次

  1. 語彙力の「語彙」とは
  2. 語彙力の意味
  3. 語彙力の誤った使用例
  4. 具体的な語彙力とは
  5. 語彙の分類

語彙力の「語彙」とは

語彙力について知る前に、まずは語彙(ごい)という単語の意味を確認してみましょう。語彙を広辞苑で調べると「一つの単語の、或いはその中のある範囲についての、単語の総体」と記載されています。英語にするとボキャブラリーです。

例えば「お父さん・父ちゃん・パパ・親父」はすべて「父に対する呼称」という同じカテゴリーに属した単語です。これらをまとめて語彙といいます。

語彙という単語に「力」という単語が加わって語彙力となるわけですが、この場合の力とは能力を意味します。つまり語彙力には、あるカテゴリーに属する単語の総体能力という意味があります。

語彙力の意味

一般的に使用される語彙力における「語彙」は、日本語というカテゴリーに属した単語の総体を意味しています。ですから簡単に言うと語彙力とは「日本語の単語を豊富に知っていて、かつ使用する能力」のことなのです。

「語彙力がある」と言えば言葉をたくさん知っていて使いこなせているという意味になりますし、「語彙力がない」という場合は単語の知識が乏しい、または知っていても使いこなせていないという意味になります。

語彙力の誤った使用例

注意すべきは、語彙力とはあくまで能力の名称である点です。「語彙力がある・ない」や「語彙力不足」という使い方なら問題はありませんが、「語彙力が豊富」という使用法は厳密には誤りです。

「豊富」はものの数が豊かであることを指す単語なので、「豊富」を使用したい場合は「語彙量が豊富」などとしましょう。また語彙とは単語の集まりのことですが、一般的に「語彙が豊富」あるいは「ボキャブラリーが豊富」という使用法は容認されています。

具体的な語彙力とは

単語をたくさん知っているだけでは語彙力があるとは言えません。語彙には、その単語を知っていて意味も理解できる「理解語彙」と、実際に使用する「使用語彙」の2種類があります。このうち、語彙力で重視されるのは後者です。

例えば日本語には雨を表現する言葉が数多く存在していますね。小雨・白雨・五月雨・時雨など挙げればキリがありません。雨に関する単語は400語超あるとも言われています。これらの言葉をあなたがすべて知っていて、意味も理解しているとしましょう。しかし日常で使用するのが「雨」という単語のみだった場合、あなたには語彙力があるとは言えないのです。

語彙力において最も重要なポイントは「ある場面において、様々な単語の中から適正なものを選択し使用できるか」です。「今日は雨だね」と言えばそれだけで意味は通じますが「今朝から小糠雨が降っているね」とより的確に状況を表現できれば、周囲はあなたを語彙力のある人間だと認識するでしょう。

語彙の分類

語彙には「理解語彙」と「使用語彙」以外にも、「基礎語彙」と「基本語彙」という分類があります。基礎語彙は大人から子供まで知っている、ごく身近で基本的な単語の集まりです。手や足、朝や夜など、これさえあれば最低限他者とコミュニケーションがとれるという単語の総体ですね。

一方、基本語彙は、あるカテゴリーにおいて基本的な位置にある単語のことを指します。例えば「トライフォーポイント」は、誰しも知っているようなポピュラーな単語ではありませんよね。

これはアメリカンフットボールの用語なので、アメフトファンあるいは選手でない人にとっては縁遠い言葉です。しかしアメフトというカテゴリーにおいては、選手で知らない人はまずいないという基本的な用語にあたるので、トライフォーポイントはアメフトの基本語彙ということになります。

したがって語彙力は、基礎語彙および基本語彙を除いた使用語彙の総量と、それらをどれだけ適正に使用できるかによって決まると言えるでしょう。あなたが語彙力の向上を望んでいるなら、まずは理解語彙の総量を増やし、それを少しずつ使用語彙にシフトしてみてくださいね。


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