帰路につくとは?帰路につくの意味
帰り道に向かうこと、帰る方向へ進み始めることを意味します。
帰路につくの説明
「帰路につく」は、文字通り「帰る道(帰路)に就く」という意味で、まだ目的地に到着していない状態を指します。例えば、仕事が終わってオフィスを出た瞬間や、旅行から家に戻るために駅に向かう時など、帰る行動を開始した時点で使われる表現です。漢字では「帰路に就く」が正しく、「就く」には「ある方向に向かって進む」という意味合いがあります。日常会話では「帰る」というシンプルな表現が使われることが多いですが、文章や改まった場面では「帰路につく」が好んで使われ、少し格式ばった印象を与えます。また、「帰路」と読みが同じ「岐路」との混同に注意が必要で、人生の分かれ道を意味する「岐路」とは使い方が異なります。
帰宅する瞬間だけでなく、帰るための一歩を踏み出した時にも使える素敵な表現ですね。
帰路につくの由来・語源
「帰路につく」の語源は中国古典に遡ります。「帰」は元々「嫁ぐ」や「出戻る」を意味し、家に戻る概念と深く結びついていました。「路」は古代中国で最も幅の広い大道を指し、後に「方面」や「方向」の意味も持つようになりました。「つく」は「就く」が正しく、これは「ある状態に近づく」「方向に向かって進む」という古来の意味から来ています。これらの要素が組み合わさり、「家のある方向へ向かって進み始める」という現在の意味が形成されました。
一つの言葉に歴史と文化が凝縮されているんですね。深い意味を知ると、日常の何気ない帰宅道も特別に感じられます。
帰路につくの豆知識
面白い豆知識として、石川啄木の作品『鳥影』では「帰路」を「かへりぢ」と読ませる箇所と「きろ」と読む箇所が混在しており、当時の読み方の揺れが窺えます。また、現代では「帰路につく」は主に書き言葉として使われ、話し言葉では「帰る」や「家に戻る」が多用されます。さらに、航空業界では飛行機が基地に戻ることを「帰投する」と言いますが、これは「帰路につく」の専門用語的なバリエーションと言えるでしょう。
帰路につくのエピソード・逸話
小説家の村上春樹氏はインタビューで、執筆後の帰宅について「深夜の原稿書きを終え、静かな街を帰路につく時が一番好きだ」と語ったことがあります。また、野球選手のイチロー氏はアメリカ遠征から帰国する際のインタビューで「長い遠征を終え、ようやく日本への帰路につきます。家族に会えるのが楽しみです」とコメントし、この表現を使いました。さらに、天皇陛下が外国ご訪問からお戻りになる際の公式発表でも「ご帰路につかれる」という表現が使われることがあり、格式高い場面で好まれる言葉であることが分かります。
帰路につくの言葉の成り立ち
言語学的に見ると、「帰路につく」は「移動動詞+経路名詞+就く」という構造を持ちます。この構文パターンは日本語に特徴的で、「職につく」「床につく」など同様の表現が多数存在します。「就く」は動作の開始と継続を同時に示す点で、瞬間的な動作を表す「着く」とは異なるアスペクト特性を持っています。また、この表現は和漢混交語であり、「帰路」が漢語、「につく」が和語という混合構造になっています。このような混交構造は中世以降の日本語で発達し、現代でも格式ばった表現として機能しています。
帰路につくの例文
- 1 長時間の打ち合わせがようやく終わり、ほっと一息ついて帰路につく頃には、もう外は真っ暗になっていた
- 2 友人との楽しい飲み会も終わり、満たされた気持ちで帰路につくと、ふと明日の仕事のことが頭をよぎる
- 3 実家でのんびり過ごした週末もあっという間に終わり、少し寂しい気持ちで帰路につく新幹線の中
- 4 大事なプレゼンを無事に終え、肩の荷が下りた安堵感とともに帰路につくエレベーターの中で、達成感に浸る
- 5 子どもの授業参観が終わり、我が子の成長をしみじみ感じながら、温かい気持ちで帰路につく道すがら
「帰路につく」の使い分けポイント
「帰路につく」を使いこなすには、似た表現との微妙なニュアンスの違いを理解することが大切です。状況に応じて最適な表現を選べるよう、主な類語との使い分けをマスターしましょう。
| 表現 | 意味 | 使用場面 | ニュアンス |
|---|---|---|---|
| 帰路につく | 帰り道に向かい始める | 文章語・改まった場面 | 格式ばった印象 |
| 家路につく | 家に帰る道に向かう | 詩的な表現・文学 | 情緒的で温かい印象 |
| 帰宅する | 家に到着する | 日常会話全般 | シンプルで直接的な表現 |
| 戻る | 元の場所に帰る | カジュアルな会話 | 最も一般的で汎用的 |
使用時の注意点とよくある間違い
「帰路につく」を使う際には、いくつかの注意点があります。特に漢字表記や同音異義語との混同に気をつける必要があります。
- 「着く」ではなく「就く」が正しい表記(到着前の状態を表すため)
- 「岐路につく」との混同に注意(「岐路」は人生の分かれ道の意味)
- 話し言葉では不自然に響くことが多い(主に書き言葉向け)
- 到着後の状態を表す場合は「帰宅した」を使う
特にビジネスメールなどで使用する場合は、これらのポイントを押さえておくと、より適切な表現ができるようになります。
関連用語と表現バリエーション
「帰路につく」には多くの関連表現があり、状況に応じて使い分けることで表現の幅が広がります。以下に主なバリエーションを紹介します。
- 帰路を急ぐ:急いで帰る場合に使用
- 帰路を辿る:ゆっくりと帰る道筋を進むニュアンス
- 帰路に就く:より格式ばった表現
- 帰途につく:「帰路」の同義語だが、より硬い印象
- 帰投する:飛行機や船が基地に戻る専門用語
「一日の仕事を終え、静かに帰路を辿る。夕焼け空を見上げながら、ほっとしたため息が出る。」
— 現代小説からの一節
よくある質問(FAQ)
「帰路につく」の「つく」は「着く」と「就く」のどちらが正しいですか?
「就く」が正しい表記です。「就く」には「ある方向に向かって進む」という意味があり、まだ到着していない状態を表します。一方「着く」は到着を意味するため、帰路の途中というニュアンスには合いません。
「帰路につく」は日常会話で使っても不自然ではありませんか?
やや格式ばった表現なので、日常会話では「帰る」や「家に戻る」の方が自然です。主に文章語や改まった場面、ビジネスシーンで使われる傾向があります。
「帰路につく」と「家路につく」の違いは何ですか?
「帰路につく」は会社や学校など、帰る場所が必ずしも自宅とは限らない場合にも使えます。一方「家路につく」は文字通り「家に帰る道」を指し、帰る場所が自宅に限定されます。
英語で「帰路につく」はどう表現しますか?
「leave for home」や「on one's way home」が近い表現です。例えば「I'm leaving for home now」(今から帰路につきます)のように使います。飛行機の場合は「fly home」とも表現します。
「帰路につく」を使うのに適したシチュエーションを教えてください
仕事終わりや旅行からの帰宅、長時間の外出後など、ある程度の時間を経て帰ることを強調したい場面で使うと効果的です。特に文章や改まった発言で使われることが多い表現です。