「フォースアウト」とは?意味や使い方をご紹介

野球中継を見ていると、時折「フォースアウト」という言葉を聞くことがあります。これは野球のルール用語の一つですが、どういった意味があるのでしょうか。野球の「アウト」には種類があるのでしょうか。今回は「フォースアウト」の意味などを解説します。

目次

  1. 「フォースアウト」の意味
  2. 「フォースの状態」とは?
  3. 「フォースプレイ」と「フォースアウト」
  4. 「フォースアウト」になる場合、ならない場合
  5. 「フォースアウト」のまとめ

「フォースアウト」の意味

「フォースアウト」は野球のルールの一つです。一定の決まりの下で、攻撃側の打者や走者がプレイの場から除かれることを野球では「アウト」と呼び、一回の攻撃中に3回アウトになると、攻守が交代します。

基本的に野球では、打者がフライを打った場合に捕球されたり、打者が打ったゴロを守備側の選手に捕球され、体にタッチされたりするとアウトとなりますが、「フォースアウト」はこれに加え、「フォースの状態」という条件下において、アウトになることを指します。

具体的には、プレイが「フォースの状態」にあるときに、

  • 打者や走者が次の塁に達する前に、相手守備選手から体にボールをタッチされる。
  • 打者や走者が次の塁に達する前に、相手選手がボールを持った状態で、走者が進むべき次の塁に触れる(主には「塁を踏む」)。
この様にアウトになることを、「フォースアウト」と呼びます。

「フォースの状態」とは?

では「フォースの状態」とはどういう状況でしょうか。

野球のルールでは、通常、打者は打球を打つと必ず1塁に進まねばなりません。このとき1塁上に走者がいる場合、この走者は1塁の「占有権」を失います。なぜなら、打者が1塁に向かってくるため、1塁にとどまっていると2人が重なってしまうからです。

このように打者のために、塁上の走者が次の塁に行かざるを得なくなることを「フォースの状態」と呼びます。フォースの状態の中で、例えば1塁走者が2塁に達する前に守備側がボールを捕って2塁を踏めば、タッチをせずとも「フォースアウト」になります。

「フォースプレイ」と「フォースアウト」

「フォースプレイ」とは

「フォースアウト」を生じさせる前提条件が「フォースの状態」ですが、試合がこのフォースの状態にある中で行われる一連のプレイを「フォースプレイ」と呼びます。これも野球中継などでしばしば耳にする表現ですが、「フォースアウト」は「フォースプレイ」の1種だといえます。

例えばフォース状態の中で、走者が2塁に走っていく状況や、それをアウトにしようと守備側野手がボールを投げる行為など、それぞれのプレイが「フォースプレイ」です。

「フォースアウト」のパターン

フォース状態とは言い換えれば「打者や走者が、もはや次の塁に進むしか選択肢がないように強制的に追い込まれている状態」だともいえます。

この状態が生まれるのは、自分の後ろにすぐ走者が迫っているなど、塁の占有権を明け渡す義務があるときだけです。パターンを挙げると次の通りとなります。

  • 走者なしで打者がボールを打ったときの、その打者
  • 走者1塁のときの、次の打者と1塁走者
  • 走者1塁2塁のときの、次の打者と1塁走者・2塁走者
  • 走者1塁3塁のときの、次の打者と1塁走者(3塁走者は「フォース状態」ではない)
  • 走者満塁のときの、次の打者と走者全員

このほかの「走者2塁だけ」「走者3塁だけ」「走者2塁3塁」の場合も、走者はフォース状態には当たりませんので、アウトにするには必ず体へのタッチが必要です。

「フォースアウト」になる場合、ならない場合

野球のプレイが「フォースの状態」のときのアウトがフォースアウトですので、仮にプレイ途中にフォース状態が解けてしまうと、その瞬間にフォースアウトはできなくなります。

フォース状態でない走者をアウトにするには、体にボール、またはそれを持った手やグラブをタッチすることが必要です。例えば次のような事例です。

  • 1アウト1塁3塁のとき。1塁走者は「フォースの状態」だが、3塁走者は後ろに走者がいないので「フォース状態」ではない。このため仮に3塁走者が本塁に走ってきた場合、体にボールをタッチしないとアウトにならない。
  • 1アウト1塁で、打者が1塁ゴロを打ったとき。守備側選手がボールを捕り、先に1塁を踏むと、打者は「フォースアウト」になる。この瞬間、1塁走者は、後ろに走者がいなくなり「フォース状態」ではなくなる。このため、走者をアウトにするためにはタッチが必要になる。

「フォースアウト」のまとめ

「フォースアウト」も一つの例ですが、野球にはかなり細かいルールが山のようにあり、それらを全て網羅したルールブックはまるで辞書のような厚さです。

プレイの局面や条件ごとにルールが異なることもあり、それらを完全に把握するのは、ファンにとってはなかなか高いハードルです。どんな細かいルールもすべて頭に入れ瞬時に判断できるプロの審判は、職業とはいえさすがですね。


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