「一騎当千」とは
「一騎当千」は「いっきとうせん」と読みます。「一騎」は馬に乗った一人の兵という意味で、「当千」は千人に値するという意味を持っています。
「一騎当千」は、一人の馬に乗った兵が千人の敵を相手にするほど強いという意味の四字熟語です。とはいえ本当に千人を倒すというわけではなく、あくまで強さの指標ですね。また、「いっきとうせん」という読み方が一般的ですが、「いっきとうぜん」と読むこともできます。
「一騎当千」の例文
- 彼には一騎当千ともいうべき才能がある
- 一騎当千の選手を招き入れて、躍進した
- このチームには一騎当千の強者がそろっている
- 一騎当千の大活躍を見せてくれた
「一騎当千」には歌詞がある?
ニコニコ動画を中心に人気に火が付いたVOCALOIDですが、そのVOCALOIDソフトを使用して制作された楽曲に『一騎当千』というものがあります。
楽曲制作者である梅とらさんは、「梅とら四字熟語シリーズ」と呼ばれるタイトルが四字熟語の楽曲を数多く手がけており、『一騎当千』もそのひとつです。
『一騎当千』とその歌詞
『一騎当千』はアップテンポなデジタルサウンドロックとも言うべき楽曲で、強気な歌詞と疾走感がかっこいいと若年層を中心に人気を博しています。
タイトルは『一騎当千』なのですが、歌詞の中にこの四字熟語は含まれておらず、アクセンクトウ(悪戦苦闘)やヨソクフノウ(予測不能)といった、一騎当千以外の四字熟語のみ歌詞に組み込まれています。
内容的にも「一騎当千」の言葉の意味を思わせる直接的な表現は見受けられません。ただ首尾一貫して強気で挑発的なフレーズで構成されているため、歌詞の主人公(たち)が強者としておかれていることは伺えます。
「一騎当千」の由来
「一騎当千」の由来は諸説ありますので、以下にそのなかの一説をご紹介したいと思います。
平安時代から武士が活躍しており、その中には特に強い武士もたくさんいました。
そして馬に乗っている兵が基本になり、そういった人たちが千人の敵をも倒している様子を表したことが成り立ちになります。
最初は武士にしか使われませんでしたが、室町時代からは「一騎当千」が武士以外にも並外れた能力を持つような人にも使われるようになりました。
今では武士などの勝負事にも使われることはもちろん、パソコンのスキルが高いことなどのスキル面でも使われることが多くなっています。
「一騎当千」を英語で言うと
「一騎当千」そのままの英語表現はないので、ニュアンスとシチュエーションで使い分ける必要があります。
- mighty warrior(とても強い兵)
- He is equal to a thousand people(彼は千人に通用する兵だ)
端的に表す場合は前者を使いますが、それだけだと強力な、巨大な、などの意味になるので少し伝わりにくい場合があります。確実に伝えたい場合は後者を使うことをおすすめします。シチュエーションなどで使い分けていきましょう。
「一騎当千」の関連語
一人当千…非常に大きな力や実力があることで、一人の力が千人にも匹敵する。
基本的に「一騎当千」と同じ意味になりますが、武士などの場合は「一騎当千」を使うことが多く、一方で技術やスキルの面では「一人当千」がよく用いられます。
一騎で千人に当たるか、一人で千人に当たるかの違いですので、どちらを使用しても誤りではありません。
「一騎当千」のアニメ
「一騎当千」という言葉を、国語辞典や授業ではなく、アニメや漫画で知ったという人も多いのではないでしょうか。城崎雄二さんによる漫画『一騎当千』は2000年の連載より好評を博し、2003年にはアニメ1期が公開されました。
『一騎当千』は『三国志』及び『三国志演義』を題材とした漫画ですが、諸葛亮や孫策といった実在した古代中国の武将や政治家などが、女性として描かれているのが特徴です。かわいい女性キャラクターのお色気ネタなどもありつつ、『一騎当千』というタイトルさながら、一人で千人を倒すようなシーンもみられます。