「マブダチ」とは
「マブ(真の、本当の)」+「ダチ(友達)」で、真友のことです。
1970年代のツッパリ・ブームの中、不良仲間で使われ始め、1980年代のヤンキー・ブームを経て、次第に廃れていきました。最近になってから、不良仲間に限らず、一般の若者の間でも、使われるようになりました。
「マブ」はテキ屋(香具師)と呼ばれる露天商の間でも「本物」の意味で使われます。かつて、盗賊用語であったという説もあります。
「マブ」を形容詞にした「マブい」は美しいという意味で使われます。
「マブダチ」と「親友」の違い
一概には言えませんが、「マブダチ」と言うと、「親友」よりさらに強い結びつきをイメージさせます。良い意味での「マブダチ」は遊びも一緒にするが、困ったときに助け合える友達です。「まさかの友は真の友」とも言いますね。
「マブ」の由来
「まぶ」「まぶい」は、江戸時代後期に滑稽本や洒落本などで、以下の例のように「真実であること、美しいこと、うまくいくこと」の意味で使われています。
- 「一廉(いっかど = かなりの)宝をせしめて今はまぶな( = 本物の)金持になりました」『黄表紙・桃太郎発端説話』
- 「爰(ここ)の内も、めんがまぶな( = 美しい)子供はねえぜえ」『洒落本・辰巳婦言』
- 「芸がいいときてゐるに、面がまぶい( = 美しい)と云ふもんだから」『滑稽本・浮世床 初』
「マブダチ」の使用例
- 「今日から私達、マブダチになろう!」
- 「マブダチだろ?少し時間を都合してくれよ。」
- 「あの二人、いつも一緒にいるね。マブダチなのかな。」
- 「わざわざ引っ越しの手伝いに来てくれるなんて、本当にマブダチね。」
「マブ」「マブい」の使用例
- 「あの娘、激マブ!」
- 「マブい子、連れてるね。紹介してよ」
「マブダチ」のまとめ
「マブダチ」の間柄になるのは、現実には簡単ではないかもしれません。「マブダチ」でなくても、ギブ・アンド・テイクの関係でも構わないので、助け合える友人は持ちたいものですね。