「目には目を」とは?意味や使い方をご紹介

「目には目を」という慣用句を皆さんはご存じでしょうか。日本語の慣用句というより、歴史の教科書などで見たことがあるという方も多いかもしれません。「目には目を」とはどういう意味で、語源は何なのでしょうか。今回はこれを解説します。

目次

  1. 「目には目を」の意味
  2. 「目には目を」の語源
  3. 「目には目を」の使い方と歴史的な解釈
  4. 「目には目を」の英語表現
  5. 「目には目を」のまとめ

「目には目を」の意味

「目には目を(めにはめを)」という慣用句は「目には目を、歯には歯を」と表記されることもあります。これは「相手から目を傷つけられたら、仕返しに目を攻撃し、歯を折られたら相手の歯を折る」といった意味に広く解釈されるのが通例です。

このため一般には、「自分が受けた被害と同じ程度の損害を相手に与え、復讐すること」とか、「相手から受けた仕打ちに対して、同じ仕打ちをやり返して対抗すること」といった意味合いで用いられています。つまり「目には目を」は、「やられたらやり返す」「同じ思いを相手にさせてやる」といった復讐心や対抗心を示す表現として、主に用いられる言葉だといえます。

「目には目を」の語源

そもそも「目には目を」という語句は、世界で2番目に古い法律「ハンムラビ法典」の一節に由来しているといわれます。これは、紀元前1792年から1750年にバビロニア(現在のイラク南部)を支配したハンムラビ王が発布した法典です。ただ同様の文言は、キリスト教の旧約聖書や新約聖書にも見られます。

ハンムラビ法典や聖書にある「目には目を…」という一文は、ラテン語で「同じ」を意味する「タリオ」の法とも呼ばれ、「人が誰かを傷つけた場合、その罰は同程度のものでなければならない」という、「同害復讐法」という規律の考え方を示すものともいわれます。これは「法で認められた報復」ともいえ、そのやり方や程度は「受けた被害や傷と同じくらいでなければならない」とするものです。

「目には目を」の使い方と歴史的な解釈

「目には目を」の使い方

「目には目を」という語句は、日本語では一般に「やられたことと同じような方法や結果で、相手にもやり返して、痛みを思い知らせる」といった「報復の意志」を示す表現として用いられます。「約束をドタキャンするとは許せない。目には目を、で思い知らせてやろう」といった用例です。

しかし、この表現はエスカレートすると「殺人を犯した人間には、死をもって償わせる」「放火されたら放火し返す」などと、非常に過激で暴力的な考え方にもつながりかねません。日本語表現として穏やかではなく、ビジネスシーンや公の場所などでは、比喩として使うにしてもあまり適切ではない印象も受けます。

ただ歴史的な解釈や研究者によれば、元来の意味はそうした過激な意味ではないという指摘もあります。

「目には目を」の歴史的解釈

「目には目を」の語源であるハンムラビ法典などの「タリオの法」は、犯罪への復讐を認めたり、厳罰を定めたものという見方とは別に、研究者の間では「過度な報復を防ぐための抑制規定」といった解釈もあるようです。

つまり「目を傷つけられたら目をやり返せ」といった野蛮な意味ではなく、「相手の目をケガさせたら自分の目で償う。それ以上の過度な行為は禁じる」と、いわゆる「倍返し」のような際限のない報復合戦を抑える条文だという説です。犯罪とそれに対する処罰の内容をあらかじめ定めて公表しておく、というこの古代の考え方は、現代の法制度にも通じる先進的なものだとされています。

また聖書にも「目には目を…」と同様な一節がある一方で、イエスは「右の頬を打たれたら左の頬を差し出しなさい」と報復自体を戒めており、「目には目を」も処罰や仕返しを抑制する考え方が基調にあるとの見方もあります。

「目には目を」の英語表現

旧約聖書のエジプト記・21章にみえる、「目には目を」の英語表現は次のようになっています。
 

  • Eye for eye, tooth for tooth, hand for hand, foot for foot. (目には目を、歯には歯を、手には手を、足には足を)

また次のような表現もあります。
 
  • An eye for an eye, and a tooth for a tooth. (目には目を、歯には歯を)

「目には目を」のまとめ

「目には目を」は古代国家の残虐な刑罰を表す言葉という印象がありますが、実際には4000年前の人々の、倫理的で公正な法制度を定めようとする考えから生まれた、との見方には新鮮な驚きがあります。古代中国の老子の言葉にも「恨みに報いるに徳を以てす」とあり、仏教でも耐えることの美徳が説かれています。現代に生きる私たちこそ、いにしえのこうした言葉に学ぶべきかもしれません。


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