「遅々として進まない」とは?意味や使い方をご紹介

「遅々として進まない」という表現は話し言葉ではあまり使わないかもしれませんね。しかし、小説や新聞記事などの書き言葉では見たことがあるという方も多いのではないでしょうか。この記事では、「遅々として進まない」の意味や使い方を紹介しています。

目次

  1. 「遅々として進まない」の意味とは?
  2. 「遅々として進まない」の使い方
  3. 「遅々として進まない」の類語
  4. 「遅々として進まない」と反対に近い表現

「遅々として進まない」の意味とは?

「遅々(ちち)として進(すす)まない」とは、物事が進むのに時間がかかり、やり遂げるにはほど遠い状態を指す言い回しです。

「遅々」は、物事の進行が非常に遅くなっていることを表しています。「遅」の文字を重ねることで、その意味が強調されていますね。

「遅々として進まない」の使い方

「遅々として進まない」は、進行の後れの原因が自分自身にある場合でも、自分以外にある場合でも使える言い回しです。

いずれにしても、思っていたように進行できない、予想よりもかなり遅れをとっていることに対する、苛立ちや焦りを含む印象を受けることもあるでしょう。

「遅々として進まない」を使った例文

  • 締切が迫っているが、意見がまとまらず遅々として進まない。
  • 打ち合わせで細かい部分のすり合わせをしたいが、新型流行病のため互いに出向くことができず遅々として進まない。
  • プロジェクトが遅々として進まないのは、各部署の承認が必要だからだと思う。
  • アプリの使い方が難しいと上司からクレームが来て、各支店とのリモート会議をする計画が遅々として進まない。

「遅々として進まない」の類語

膠着

膠着」(こうちゃく)とは、物事がある状態に陥ったまま、変化がないさまをいいます。「」(にかわ:接着に使う原料)で着けたように粘りついていることから転じました。物事がはかどらないことを表す「遅々として進まない」と似ています。

【例文】

  • 反対勢力が会議を欠席したため、議事進行ができず膠着状態に陥っている。
  • 試合が膠着すると、チャンスの潰し合いになりつまらなくなる。

堂々巡り

堂々巡り」(どうどうめぐり)は、同じことを何度も繰り返しているため、先に進まないことです。その語源は、仏教の信者が祈願のためにお堂の周りを何度も回る様子から来ています。

「物事が進行しない」という点は「遅々として進まない」と共通しています。しかし、「堂々巡り」は、会議や打ち合わせで同じ趣旨のやり取りが繰り返されて進まないさまを表す場合がほとんどです。

【例文】

  • AさんとBさんは先ほどから自説を曲げずに攻撃し合うだけで、会議は堂々巡りになっている。
  • 相手先と打ち合わせをしても互いに譲らず堂々巡りになるため、思い切って契約を打ち切ることにした。

「遅々として進まない」と反対に近い表現

兎の登り坂

兎の登り坂」(うさぎののぼりざか)とは、周りの状況に恵まれて物事が上手く進むことをいいます。「遅々として進まない」とは反対の状況ですね。

他には、得意分野で思う存分力を発揮できるさまを表す意味もあります。兎の後ろ足が長く、坂を登るのが上手なところに由来しています。

【例文】

  • 実力があって目上の人にも引き立てられ、先輩は兎の登り坂のような人生を送っているよな。
  • 兎の登り坂で恵まれているように見える人も、陰では一生懸命努力をしているんだよ。

順調

順調」(じゅんちょう)とは、物事が滞りなく運ぶ上手くはかどるという意味です。「順」は物事のやり方や順序が正しく適正であること、「調」は物事の進行の具合を表します。

「遅々として進まない」と反対に近い表現で使う場合、順調に進む、順調に進行するなどのように使うこともできます。

【例文】

  • イベントは問題なく順調に進んだ。
  • 懸案事項があったが、事前に意見のすり合わせをしていたため、会合は順調に進行した。

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