「神秘的」とは?意味や使い方をご紹介

「神秘的」も、英語由来のカタカナ語「ミステリアス」も、多くの人に馴染み深いことでしょう。その割に、「神秘的」な体験をすることは、そうは多くないかもしれません。それだけに、好奇心をそそられる言葉ですね。今回は「神秘的」の意味と使い方を英語も含めてご紹介します。

目次

  1. 「神秘的」とは?
  2. 「神秘的」の使い方
  3. 「神秘的」の英語表現
  4. 「神秘的」と「幻想的」の違い

「神秘的」とは?

「神秘的」(しんぴてき)とは、人知でははかり知ることができない、普通の認識や理論を越えて不思議な感じのするさま。言葉で語ることができないほどの不思議なさまを意味する言葉です。

ただし、人が「神秘的」と口にする時、それは必ずしも人知の及ばないほど深遠な「不思議」とは限りません。「神秘の雰囲気を帯びたさま」であれば、広く「神秘的」と表現できます。

「神秘の雰囲気」

たとえば、森の奥深くを歩いている時、急に霧がたちこめてきたとします。木々の葉の緑はぼんやり霞みながらも風にざわめき、どこからかホーホーと梟が鳴くような音もします。

こうした雰囲気を「あの時の神秘的な雰囲気は忘れられない」と表現したとしても、人知を超えた不思議体験をしたわけではありません。謎めいた雰囲気の女性を「神秘的な人」と感じたからといっても、その女性は「人間」であり妖精ではありません。

このように、「神秘的」の実際の使われ方は、「不思議なもの」という辞書上の意味よりも、「神秘の雰囲気」を指して使われることが実際は多いのです。

「神秘的」の使い方

「神秘的」は、「神秘の雰囲気をまとう」場所や人、風景、芸術作品や音楽などを指して使うことが多い言葉です。日常生活ではあまり体験しないような光景などに出会ったとき、わけてもそれが美しさや不思議な感覚を喚起すればなお「神秘的」と表現され得ます。

辞書の定義のような、真に人知を超えたものを指す時は、「神秘的な体験」「神秘的な物語」「神秘的な出会い」など、感覚ではなく具体性あるものと結びつけて使うことがほとんどどです。

逆に言えば、具体性に結び付いた使い方をする場合は、真の不思議体験の表現と見なしてよいでしょう。

「神秘的」の文例

  • Aさんが描く絵画は、眺めているとその世界に吸い込まれそうな神秘的な魅力をもっている。
  • B子さんは、いつも言葉少なく微笑んでいるが、なんともいえない神秘的な眼差しの女性だ。
  • 初めて旅をした土地なのに、かつて訪れたと感じる景色が続くという、神秘的な体験をした。
  • 夫とは、お互い同じ病院で生まれ、同じ中学で学び、同じ職場になるという神秘的な出会いを重ね、結婚することとなった。

「神秘的」の英語表現

「神秘的」の英語表現は、代表的なものは英語由来のカタカナ語「ミステリアス」として定着しているものなど、おもに3つの単語を挙げることができます。英語の文例と訳語をご紹介します。

  • mysterious: We were very surprised to see the mysterious sight in front of us. (訳文:私たちは、神秘的な風景を目の当たりにして、驚愕した。
  • mystical:  I have a mysticcal sense of unity with the Mother Earth.(訳文:私は、母なる地球と神秘的な一体感を感じている)
  • mystic::She has some sort of mystic force by nature. (訳文:彼女は、生まれつきある種の神秘的な力をもっている)

「神秘的」と「幻想的」の違い

「幻想的」(げんそうてき)は、しばしば「神秘的」と同じような使われ方をされることがありますが、正確には異なる意味をもつ言葉です。

「幻想的」とは、現実から離れた空想の世界のようである様子、夢を見ているようなさま、を意味する言葉です。「神秘的」が、人知を超えた不思議であれ、現実世界でのことを指すのに比べ、「幻想的」は空想や幻想世界に重点があります。

したがって、「幻想的な人」「幻想的な体験」とはいわず、具体性あるものに用いることはほぼありません。一方、風景や場所、芸術や音楽においては、「神秘的」とほぼ同じような使われ方をします。

「幻想的」の文例

  • Cさんが奏でるピアノのメロディは、幻想的な空間に聴衆を誘い出す力があった。
  • 夜空に光のカーテンがゆらめくようなオーロラは、想像を絶する幻想的な光景だった。

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