「怪我の功名」とは?意味や使い方をご紹介

「怪我の功名」とは、失敗や過失から思いがけず好結果が生まれることの例えで、とてもよく使われる表現です。みなさんも様々な場面で使っているのではないでしょうか?ここでは、そんな「怪我の功名」の意味や使い方を、例文を交えて詳しくご紹介しています。

目次

  1. 「怪我の功名」の意味
  2. 「怪我の功名」の使い方
  3. 「怪我の功名」と似た意味を持つ言葉
  4. 「怪我の功名」のまとめ

「怪我の功名」の意味

「怪我の功名」とは、失敗や過失や災難、あるいは意図せずに何気なくした行為によって、偶然に良い結果がもたらされることを意味しています。

「怪我」とは、現在では物理的な負傷のことを意味していますが、元々は「失敗」や「過失」、あるいはそういった「不測の事態や偶然によっておってしまった負傷」のことを意味していました。また、「功名」は昔は「高名」と書き、高い評判のことでしたが、次第に「手柄」という意味を持つようになり、「功名」と書くようになりました。

この「怪我」と「功名」が合わさって、過ちや不測の事態が結果的に好結果となることを「怪我の功名」と呼ぶようになりました。

「怪我の功名」の使い方

「怪我の功名」は、どのように使うのか例文を見てみましょう。

「怪我の功名」の例文

  • 彼は交通事故で入院した病院で今の奥さんと知り合った。まさしく「怪我の功名」だ。
 
  • 自転車を盗まれて途方に暮れていたが、「怪我の功名」でたくさん歩くようになりダイエットに成功した。
 
  • 抗生物質のペニシリンは、実験中のシャーレにカビが生えてしまうという失敗があったからこそ発見されることができた、「怪我の功名」の賜物である。
 
  • 旅先で道に迷ってしまったが、「怪我の功名」で道を尋ねるために立ち寄った古本屋で幻の初版本を手にすることができた。

「怪我の功名」を用いた作例

“さア、来い、ガラッ八、手前にとっちゃ怪我の功名だ。”
『銭形平次捕物控 鈴を慕う女』野村胡堂
 
“中には怪我の功名ともいはうか、一場の失策が意外にも効果的であつたので、それが一種の小書として遺つたものもあるけれども、多くは芸術的冒険者が苦心惨澹して工夫し出した伝統破壊の記録である。”
『演出』野上豊一郎
 
“広大な松林の中を一直線に切開いた道路は実に愉快なちょっと日本ばなれのした車路で、これは怪我の功名意外の拾い物であった。”
『異質触媒作用』寺田寅彦

例文からは、「失敗」や「過失」などの本人にとって悪いことがあったからこそ、良い結果が生まれたという、前向きなニュアンスが伝わってきます。

「怪我の功名」と似た意味を持つ言葉

「怪我の功名」と似た意味を持つ言葉と、それらと「怪我の功名」との違いについてまとめました。

「塞翁が馬(さいおうがうま)」

「塞翁が馬」は、人生において何が幸福で何が禍なのかは予測できないという意味です。悪いと思っていた出来事が実は良いことだったという意味の部分は「怪我の功名」と通じるところがありますが、「塞翁が馬」には良いと思っていた出来事が実は良くないことだという、「怪我の功名」とは逆の意味もあります。

「災い転じて福となす」

「災い転じて福となす」とは、災いや不幸をうまく利用して、自分の役に立つように活用することを言います。「怪我の功名」とほとんど同じ意味ですが、「災い転じて福となす」の方が、より自力で物事を好転させようとする力が強いように感じます。

「結果オーライ」

「結果オーライ」とは、結果さえよければ途中経過や目的については特に言及しないという雑な考え方を表した俗語です。使われるシチュエーションは「怪我の功名」とほぼ同じです。

「怪我の功名」は結果が出る前に起こった「失敗」や「過失」あっての好結果という捉え方なのに対して、「結果オーライ」は結果さえよければそれまでのことはどうでもいいという考えなので、「失敗」や「過失」が良い結果に直接影響しているかどうかという因果関係が不明な点が違います。

「怪我の功名」のまとめ

いかがでしたでしょうか。「怪我の功名」の意味や使い方をおわかりいただけましたか。困難と思われることでも失敗し続ける勇気があれば、思わぬところから「怪我の功名」で成功の種が舞い込んでくるかもしれませんね。

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