「精を出す」とは?意味や使い方をご紹介

「精を出す」は、勤勉と言われる日本人には馴染む言葉です。何かを一生懸命やっているとき、まわりから「精が出るね!」と声をかけられたことはありませんか?この「精」には、どんな意味があるのでしょう。今回は「精を出す」について意味や使い方を類語を含めてご紹介します。

目次

  1. 「精を出す」とは?
  2. 「精を出す」の使い方
  3. 「精を出す」の類語

「精を出す」とは?

「精を出す」は、(せいをだす)と読みます。この言葉の意味がわからなくても、頑張っていることへの誉め言葉というニュアンスは感じられますね。

「精を出す」は、懸命に精一杯働く、こつこつと一生懸命物事や仕事に励む、元気に行動する、熱心に根気よく働くなどの意味を持つ言葉です。

「精」の字義

「精を出す」の「精」は多義的な漢字です。音読みが(せい、しょう)、訓読みが(しら-げる、くわ-しい、こころ、もののけ)です。主な意味として、心、魂、気力、心身の力などが挙げられます。

同じ意味で「精」が使われている言葉には、精力、精神、精進(しょうじん)などがあります。これらの意味から「精を出す」は、人が心身の力をこめてなにかに打ち込むことを意味する言い回しだと理解できます。

また「精」には、上記以外にも、①こまかい、くわしい(精密・精通)、②もののけ、不思議な力を持つもの(精霊)、③よりぬきの優れたもの(精鋭)、④米などを白くする(精米)、⑤生殖のもととなるもの(受精、精子)といったたくさんの意味があります。

「精を出す」の使い方

「精を出す」対象は、仕事や勉強、トレーニングなど、義務としてやるべき物事である場合が多くなります。心身をこめて打ち込むとなれば当然とも言えますね。しかし、「うちの子は勉強より遊びに精を出して困ったものだわ」などと冗談めかしたニュアンスで使うこともあります。

「精が出る」という言い方も便利です。主語が「精」になりますので、他者への声掛けはこちらの言い回しが多く、「ご精が出ますね」と丁寧なかたちで使うこともできます。

一人称で使う場合は、「びっくりするくらい精が出るなあ」「今日は精が出たよ」のように、自身の努力もありながら、思う以上にはかどったというニュアンスで使います。

「精を出す」「精が出る」の文例

(A男)

ローンで家を建てたから、これまで以上に仕事に精を出さなくちゃなあ。

(B子)

アスリートがトレーニングに精を出している姿を見ると、それだけで感動しちゃうわ。

(C男)

田中君は、ちょっとガールハントに精を出しすぎじゃないか?

(D子)

仕事帰りにデートの約束をしたら仕事に精が出て、残業もせずに終われたわ。

(E男)

木村さんは、このお暑いなか、家庭菜園にご精が出ますね。

「精を出す」の類語

「尽力する」の意味と使い方

尽力する」は、(じんりょく-する)と読みます。ある目的をはたすために力を尽くし努力することを意味する言葉です。

日常会話ではあまり登場しませんが、ビジネスシーンやあらたまった場ではよく使う言葉です。自分のための個人的なことに努力する場合に使うことは少なく、他者のためや仕事のためなどに力を尽くす際に多用されます。

自分がなにかをする場合は、「尽力させていただく」「尽力する所存(しょぞん)」などの言い回しが多く、他者が自分のためになにかをしてくれた場合は、「ご尽力いただき」などの丁寧な言いまわしで用います。

【文例】

  1. このイベントが赤字脱却の糸口となるよう、尽力させていただきます。
  2. このたびは、当社のプロジェクトに多大なるご尽力をたまわり、こころよりお礼申し上げます。

「勤しむ」の意味と使い方

勤しむは、(いそ-しむ)と読みます。熱心に励み、勤め、精を出すという意味の言葉です。真剣に、ひたむきに努力して励むニュアンスからも、対象は仕事や勉強、訓練などがもっとも自然です。

【文例】

  1. 受験日を間近にひかえ、鈴木君は寝る暇をおしんで勉強に勤しんだ。
  2. 日が暮れるまで練習に勤しむ野球部員たちを見るたびに、甲子園の土を踏ませてやりたいと思う。

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