「ご同慶の至り」とは?意味や使い方を例文を含めてご紹介

「ご同慶の至り」は、若い世代にとってはとくに馴染みのない言葉ではないでしょうか。硬い印象のフレーズですが、結婚や受賞などのめでたい機会に、お祝いの気持ちを伝える意で用いられます。今回は「ご同慶の至り」の意味や使い方を例文を含めてご紹介します。

目次

  1. 「ご同慶の至り」とは?
  2. 「ご同慶の至り」の使い方
  3. 「ご同慶の至り」の類語

「ご同慶の至り」とは?

「ご同慶の至り」は、(ごどうけいのいたり)と読み、相手の慶事が、自分にとってもこのうえない喜びである、という意味があります。「ご同慶」は「御同慶」と表記されることもあります。

ともに喜び祝う気持ちを、かしこまったかたちで表しているため、ビジネスシーンや目上の人への文書などに適しています。また、慶事のセレモニーなどでも使われる言葉です。

日常会話ではまず使われることがなく、文章上でもなかなか目にする機会はないでしょう。若い世代ならずとも、この言い回しに馴染みのない方は多いかもしれません。

「同慶」「至り」とは

「同慶」は、ほとんどの場合、この「ご同慶の至り」という言い回しで用いられます。意味は「相手と同様に、自分にとっても喜ばしいこと」です。

「同」は、「同じ」という意味ですね。他方、「慶」「めでたいこと」「祝うこと」という意味の漢字です。「慶事」(めでたい祝い事)、「新年のお慶(よろこ)びを申し上げます」などと使われています。

「至り」は、ここでは「物事、事象が最高の状態、いきつく極みの状態にある」という意味を持ちます。したがって、「ご同慶の至り」は、「同じ喜びをこのうえなく感じている」ということを表します。

「ご同慶の至り」の使い方

「ご同慶の至り」は、かしこまった儀礼的な言い回しですから、企業など組織にとっておめでたいことを祝う時や、集団への祝辞などに最も適しています。しかし、集団といっても、国民や世界などあまねく一般的な人々を対象とした慶事(新年、独立記念日など)には用いません

加えて、結婚や出産、昇進などといった個人的な慶事にはあまり用いられない傾向にあります。ところが、「このたびのご結婚、まことにご同慶の至りに存じます」「部長職へのご昇進、ご同慶の至りでございます」などと使われる例もみられます。

辞書の用例として掲載されていることもありますから、誤った用法とは言い切れないかもしれません。

「ご同慶の至り」の例文

  • このたびの貴社の海外工場のご開設、小売店の我々としてもご同慶の至りです。
  • 開校30周年を迎えられ、第一期生一同、ご同慶の至りでございます。
  • 貴校野球部の甲子園出場のご決定、ご同慶の至りに存じます。

「ご同慶の至り」の類語

「大慶至極」

「大慶至極」(たいけいしごく)と読みます。このうえなくめでたいこと、きわめてよろこばしいこと、を意味する言葉です。「大慶」は、読んで字のごとく「大きな慶び」、「至極」は、このうえない状態、行き着く極み、を表します。

「ご同慶の至り」と同様、非常にかしこまったかたちのお祝いの言葉ですので、見聞きすることは滅多にないかもしれません。ビジネス文書や、お祝いの気持ちを伝える手紙文などに使われることがあります。

こちらは、「大慶至極でございます」や「大慶至極に存じます」などの言い回しで用いられています。

【文例】
このたびご尊父様が米寿を迎えられるとの由、大慶至極に存じます。
 

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