「暗礁に乗り上げる」とは?意味や使い方をご紹介

「法案の成立は暗礁に乗り上げた」をいう記事を目にする機会のある「暗礁に乗り上げる」という言葉。でも、「暗礁」だけでは、あまり使う機会はないかもしれません。この記事では、「暗礁」という言葉から、「暗礁に乗り上げる」について意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「暗礁に乗り上げる」とは?
  2. 「暗礁に乗り上げる」使い方
  3. 「暗礁に乗り上げる」英語での表現
  4. 「タイタニック」

「暗礁に乗り上げる」とは?

「暗礁に乗り上げる(あんしょうにのりあげる)」とは、物事を進行しているとき、思わないところから現れた障害によって、物事がうまく進まなくなることを言う慣用句です。

船が航海しているときに暗礁や浅瀬に乗り上げてしまい、動くことができなくなることを「座礁(ざしょう)」と言いますが、座礁すると航海を続けることができなくなるところから、上記のような意味を持つようになりました。

暗礁とは?

暗礁とは、水面の下に隠れてしまっていて見ることができない岩礁(がんしょう)の中の「暗岩(あんがん)」を一般的に指す言葉です。暗礁は、岩石や珊瑚礁(さんごしょう)からできていて、座礁の原因になってしまうことも多く、船舶にとっては危険な場所の一つでもあります。

岩礁とは?

岩礁は、海面の下に隠れてしまっている岩と、少しだけ海面から出ている岩の両方のことを言います。海図では、潮の満ち引きによる海面の高さを基準にして、次のように分類されます。

  • 水上岩(すいじょうがん):つねに水面の上に露出している岩のこと。
  • 干出岩(かんしゅつがん):満潮のときには水没していて、干潮のときには上の部分が水面の上に露出している岩のこと。
  • 洗岩(せんがん):干潮のときに、上の部分がほぼ水面と同じ高さになる岩のこと。干潮のときに海水に洗われる状態になっているところから言う。
  • 暗岩:干潮のときでも水面の上に露出することのない岩のこと。

「暗礁に乗り上げる」使い方

  • 殺人事件の容疑者はすぐに捕まったものの、犯行時刻のアリバイを証明する一般市民が名乗り出てきたことで、捜査は暗礁に乗り上げた。
  • 今度のボーナスが出たらずっと欲しかったお掃除ロボットを買う予定でいたのだが、急に冷蔵庫が壊れて、予定は暗礁に乗り上げてしまった。
  • 姉の結婚準備は順調に進んでいたが、衣装選びに口をはさんだ母親同士の意見の違いで、両家を巻き込む大げんかになって、今まさに暗礁に乗り上げてしまっている。

「暗礁に乗り上げる」英語での表現

「暗礁に乗り上げる」を英語で表現すると、次のような言葉が当てはまります。

  • run aground
  • strike a rock
  • be stranded on a reef

また「行き詰まる」という意味の次のような表現も使えます。
  • be deadlocked
  • reach a deadlock
  • go nowhere

「タイタニック」

「暗礁に乗り上げる」=「船の事故」ということから、映画の「タイタニック」を連想する人もいるのではないでしょうか。

ジェームス・キャメロン監督・脚本のアメリカ映画で、1998年のアカデミー賞の11部門を受賞、セリーヌ・ディオンの主題歌「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」も大ヒットしました。

タイタニック号の船首で、ジャックに支えられたローズが目を開けて、「私、飛んでるわ!」と言うシーンが有名です。レオナルド・ディカプリオが演じるジャックと、ケイト・ウィンスレットが演じるローズを夕日が包む、美しい場面が印象的です。

タイタニック号沈没事故

「タイタニック」のモデルは、1912年に起きたタイタニック号沈没事故です。1912年4月14日の深夜、イギリスの豪華客船タイタニック号が、航海の途中で氷山に衝突します。衝突からおよそ3時間後には船は沈没し、1513人の人が亡くなったと言われています。

当時、世界最大の客船として造られたタイタニック号の初めての航海でしたが、流氷についての情報の取りこぼし、避難体制の問題、救命ボートの数の不足、その他さまざまな要因が重なったことが事故の原因として挙げられています。

この事故は、20世紀最大の海難事故として映画やドキュメンタリーなどで何度も作品化されていて、多くの人に知られる悲劇となっています。氷山との衝突なので、「暗礁に乗り上げる」とは異なりますが、船舶の航行の障害という点で関連があるので紹介しました。

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