「知遇を得る」の意味
「知遇」とは「相手の人柄や判断力、才能などを認めて手厚くもてなすこと」を指します。「知遇(ちぐう)を得る」とは「人格や識見を認めた上での厚い待遇を得る」ことを表す言い回しです。
「知遇」は、取り繕った外見やその場しのぎの行動に惑わされることなく、その人の内面を評価するという上でもてなすということです。よって、「知遇を得る」ことはとても誇るべきことと言えます。
「知遇を得る」の使い方
- 彼の作品は余りにも前衛的なので、世間の知遇を得るにはまだまだ時間がかかるに違いない。
- 彼女の仕事に対する姿勢・処理能力は目を見張るものがあったので、すぐに会社の上層部の知遇を得た。
- 彼は生徒会長として学校に貢献することで教師たちの知遇を得ることに成功した。
「知遇を得る」の類語
「もてなしを受ける」
「もてなし(持て成し)」は「取り扱い、振る舞い、馳走」などの意味です。「もてなしを受ける」は、「厚い待遇を受ける」という点では「知遇を得る」の類語と言えます。
しかし、「もてなしを受ける」かどうかは、必ずしも人柄や性格、見識などに左右されません。たとえば、客という立場であれば、基本的には誰でももてなしを受けることになります。立場が人柄などの要素よりも優先される場合があるということですね。
【例文】
- 旅先で教え子の家に厄介になったが、手厚いもてなしを受けて恐縮した。
- 出張の折は、取引先から地元の名物や酒のもてなしを受けた。
オリンピック招致の際に話題となった「おもてなし」は、「もてなし」の丁寧語です。「もてなしを受ける」とともに、ビジネスにおける接待や、サービス業においてよく使われます。
「一目置かれる」
「一目(いちもく)置かれる」とは「一定の成果を収め、信頼を得ることで周囲から認められ尊敬されること」です。多くの場合、目上の人が目下の人を認めていることを表します。
「相手の力量を認めた上で、目をかける」という点では「知遇を得る」に近い意味を持ち、類語と呼べるでしょう。
【例文】
- 担任の先生は、クラス委員のAさんに一目置いている。
- 同期入社のBくんは、部長に一目置かれている。
「一目」とは囲碁用語で碁盤の目のことです。囲碁の世界では強い者が格下の者に敬意を払い「一目」つまり初手を譲る事になっています。ゲームの性質上、基本的に先手が有利とされているため、相手への想いが伝わる行為です。
「知遇を得る」と「知己を得る」の違い
同じ「○○を得る」という形の2つの言葉、「知遇を得る」と「知己(ちき)を得る」は良く間違えて使われる事があります。
「知己」は、現在では単に「知っている人」という意味でも用いられますが、元来は「自分の事を深く理解してくれる友」という意味です。「知己を得る」とは、簡単に言うと「親友が出来た」ということです。
よって、「知己を得る」は、「知遇を得る」とは全く違う意味であることがわかりますね。
「知遇を得る」の英語表現
「知遇を得る」の英訳のひとつに、少し硬い表現ですが、「好意を持ってもらう」という意味の「enjoy somebody's favor」というイディオムがあります。また、「認められて好意を抱くようになる」ことを指す「come to be recognize and favor」でもOKです。
【例文1】
- The boss introduced me to company president, and I enjoyed his favor.
- 訳:部長に紹介して頂いたおかげで、社長の知遇を得ることが出来た。
【例文2】
- He working as a class member, he came to be recognized and favored by his teacher.
- 訳:彼はクラス委員として働いたおかげで教師の知遇を得た。