「ピンキリ」とは?意味や使い方を語源を含めてご紹介

「ピンからキリまで」を知っている人なら、「ピンキリ」がその略語だということはすぐにわかるでしょう。いろいろなところで使われる表現ですが、では「ピン」と「キリ」は何を意味するのでしょうか。この記事では、「ピンキリ」の意味や使い方を語源を含めてご紹介します。

目次

  1. 「ピンキリ」とは
  2. 「ピンからキリまで(ピンキリ)」の語源
  3. 「ピン」と「キリ」はどっちが上?
  4. 「ピンキリ」の使い方
  5. 「ピンキリ」の類語

「ピンキリ」とは

「ピンキリ」とは、「ピンからキリまで」の略語で、「始めから終わりまで」「最上のものから最低のものまで」「さまざま」ということを表しています。

「ピンからキリまで」という言い方は江戸時代あたりから使われており、最近では省略形である「ピンキリ」もよく聞くようになりました。

「ピンからキリまで(ピンキリ)」の語源

日本では16世紀半ばからポルトガルやスペインとの間で、いわゆる南蛮貿易が行われるようになりました。貿易で物が行き来すると、言葉の交流も始まります。

「ピンからキリまで」は、その時代に生まれたようです。次によく言われている語源を紹介します。

語源①「ポルトガル語」

「ピン」という言葉は、ポルトガル語で「点」を意味する「pinta(ピンタ)」に由来していて、サイコロの1の目や数字の1を意味しました。そこから「始め」という意味を持つようになったと言われています。

一方の「キリ」も、ポルトガル語の「十字架」を意味する「cruz(クルス)」が訛(なま)って、「キリ」となり、クルス(十字架)から転じて、十(数の10)を表すようになって、「終わり」となったようです。

ここから、「ピンからキリまで」という言葉が生まれたと言われています。

語源②「天正カルタ」

もう一つの説は「天正カルタ」に由来するというものです。「天正カルタ」とは、ポルトガルからもたらされたカードゲームを国産化したもので、トランプの一種です。

4種48枚からなる「天正カルタ」では、1枚目を「ピン」、最後の札である12枚目を「キリ」と呼んでいました。このことから、「最初から最後まで」という意味の「ピンからキリまで」という言葉が生まれたとされています。

その他の語源とまとめ

その他、「これが最後」を意味する「~限り」が「切り」となり、これが「キリ」の語源だとする説や、花札の12月を表す札に桐(きり)の図柄が描かれていることから、一年の〈最後〉にかけて「キリ」というようになったという説もあります。

【まとめ】
①は、ポルトガル語の変容をそのまま語源とし、②は、その変容に加えて、天正カルタを語源としています。

語源と考えられるものが複数ありますが、どれもそれなりの説得力を持っているのではないでしょうか。

「ピン」と「キリ」はどっちが上?

「ピン」と「キリ」はどちらが上なのでしょうか。上記の語源①②から考えると「ピン」が「最初」「最小」であり、「キリ」が「最後」「最大」だと思われます。この言葉が生まれた当初は、「ピン」が下で、「キリ」が上だったのかもしれません。

しかし、「ピン」「キリ」を数量ではなく順位ととらえると、「ピン」が一番で「キリ」がビリということになりますね。

いずれにせよ、現在慣用句として使われている「ピンからキリまで」は、「ピン」が最上と考えられているようです。

「ピンキリ」の使い方

  • この店の商品は値段が高いわりに、品質はピンキリだ。
  • 一口に東大卒といっても人柄はピンキリだから、学歴だけで判断しない方がいい。
  • 青年実業家は大勢いますが、実態はピンキリです。
  • 学習塾はたくさんあるけど、指導のレベルはピンキリですよ。
  • 今は、弁護士といえども収入の少ない人もいて、ピンキリ状態になっている。

「ピンキリ」の類語

「玉石混淆」

玉石混淆(ぎょくせきこんこう。「玉石混交」とも書く)」は「価値のあるものとないものが入り混じっている状態。良いものと悪いものが一緒にある状態」をいう四字熟語です。

「玉石(ぎょくせき)」とは、「玉(ぎょく)」と「石」のことで、「よいものと悪いもの。優れたものと劣ったもの」という意味を持っています。ここでいう「玉」は、翡翠(ひすい)や碧玉(へきぎょく)などの美しい宝石のことを指します。

【例文】

  • 今年の新入社員は例年より数が多いが、その分玉石混淆の感がある。
  • 今度のコンクールの出品作は玉石混淆で、出来栄えにずいぶんと差があった。
  • 1000円で石のつかみ取りなんていっても、玉石混淆どころか、ただの石ばかりだった。

「当たり外れ」

「当たり外れ(あたりはずれ)」は、「うまくいく場合といかない場合があること。いいものとそうでないものがあること」という意味の言い回しです。

【例文】

  • 宝くじに当たり外れがあるのはわかっているが、末等以外に当たったことがない。
  • スイカの当たり外れは、外見ではわからない。
  • 研究の結果が出るかどうかは必ずしも個人の力量によらない。当たり外れといった要素も大きいため、一喜一憂せずに取り組んだ方がいいだろう。

「大小さまざま」

「大小さまざま」は字の通り、「大きいものから小さいものまで、いろいろな大きさがある」ということを表します。

【例文】

  • 陶芸の里・信楽(しがらき)では、大小さまざまな狸の焼き物が、いたるところで見られる。
  • デンマーク製のブロックは、大小さまざまなパーツがたくさんあって、大人も楽しめる玩具だ。
  • この世界には200を超える国や地域がありますが、その広さは大小さまざまです。

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