「時間が押す」とは?意味や使い方をご紹介

「時間」を使った表現は、「時間を割く」「時間が押す」など数多く思い浮かぶでしょう。「時間」を物理的に押すことはできませんが、ここでの「押す」はどのような意味を持つのでしょうか。この記事では、「時間が押す」の意味や使い方を紹介します。

目次

  1. 「時間が押す」とは
  2. 「時間が押す」の使い方
  3. 「時間」にまつわる表現

「時間が押す」とは

時間が押す」とは、当初予定していた時間内に物事が終わらず、次の予定の開始が遅れそうになること、または遅れることを意味します。

「時間が押す」ことで、焦りや苛立ちを感じたことがある人は多いかもしれませんね。

「押す」の意味と使い方

「押す」には、とても多くの意味がありますが、代表的な意味と用例を以下に挙げます。「時間が押す」においては、6番目の意味で使われています。

【意味】

  1. モノを動かすために様々な方向から力を加えること:「荷車を押す」「後ろから押す」など
  2. 圧力を加えること:「重石を載せて漬物を押す(圧す)」「ハンコを押す(捺す)」「金箔を押す」など
  3. なにかの状態・事柄をある基準点から先へ進めようとすること。圧倒すること:「意見を押し通す」「資金力に押される」「予算縮小の方針で押す」など
  4. 無理にする。強行する:「病気を押して、会議に出席する」
  5. 確かめる:「念を押す」「駄目を押す」など
  6. (テレビ・演劇などで)予定した時間よりも遅れる:「開始時間が5分押す」
  7. 攻める:「戦国武将ゲームで、敵陣に軍勢を押し進める」

「時間が押す」の使い方

「時間が押す」は、「予定よりも遅れている理由」を明確に示した上で用いると、より具体的に状況を伝えることができるでしょう。

例文

  • 教授の熱弁で大幅に講義の時間が押してしまい、質問は後日に回されてしまった。
  • 前のバンドの演奏が長引いて時間が押したので、私たちの演奏開始が予定より遅くなった。
  • 内容のすり合わせで官房長官の到着が遅れたので、記者発表の時間が押している。
  • 急なクレーム処理のために時間が押してしまい、退社が遅くなった。

「時間」にまつわる表現

「時間が迫る」

「時間が迫る」は、予定の時間が近づいていることを表します。単に「まもなく時間を迎える」というよりも、より差し迫った印象のフレーズです。

「時間が押す」は遅れる、というニュアンスですが、こちらは定められた時間に近づいている、というイメージでしょう。たとえば、電車の発車時刻や映画の上映開始時間などが当てはまります。

【例文】

  • 渋滞でタクシーが動かず、新幹線の発車時間が迫っている。もう間に合わないかもしれない。
  • プレゼンの時間が迫っているというのに、パソコンがフリーズしてしまった。

「時間がない」

「時間がない」は、文字通り、「時間」が「ない、たりない」という意味です。日常生活においても、よく使われる表現のひとつといえます。

【例文】

  • 寝坊したので、朝ご飯を食べる時間がない。
  • 最初の問題に時間をかけすぎて、残りの問題を解く時間がなかった。

「時間コスト」

「時間コスト」とは、「あるものに対する時間的価値」を表す言葉で、おもにビジネスの場で使われるフレーズです。わかりやすく言えば、「あることに対してどれくらいの時間をかけているか」ということです。

「コスト」と言えば「費用」が思い浮かぶかもしれません。しかし、「時間」が有限であることを考えれば、「時間」に意識を置くことも大切でしょう。「時は金なり」にやや近い印象もありますね。

【例文】

  • 時間コストを意識して、集中して仕事に取り組むように。
  • 移動の時間コストを考えれば、電車より飛行機を使うのがいいかもしれない。

「時間泥棒」

「時間泥棒」という言葉の由来は、ドイツの児童文学作家ミヒャエル・エンデの作品『モモ / 時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語』とされています。

現代日本においては、「時間をとられてしまうもの」という意味合いで用いられますが、広く一般的な表現とは言えないでしょう。文脈によって、プラス・マイナスどちらの意味でも使うことができます。

【例文】

  • 「飲みニケーション」は、仕事を円滑に進めるツールの一つだけど、行き過ぎると「時間泥棒」だよ。
  • SNSは、便利なコミュニケーションツールだけど、それが逆に「時間泥棒」になってしまっていることが多いのは問題だ。

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