「プレス」とは
「プレス」は英語の'press'に由来します。「プレス」には、次のような意味があります。
- 押し付けること。押さえつけること。
- 生地や衣服にアイロンをかけること。シワを伸ばしたり折り目をつけること。
- 圧力をかける機械(材料を成形する機械や圧搾機)
- レコードやCDを原盤から複製すること。
- 印刷すること。印刷物。出版物。
- 報道機関。新聞社。報道や広報の担当者。
「プレス」の意味の派生
「プレス」の基本的な意味は、上記の1、力を込めて押し付ける・圧すことです。ここから派生して2〜6の意味を持つようになりました。
アイロンは水分や熱のほかに、圧力も利用して衣服のシワを伸ばします。塑性加工や圧縮加工には圧力をかけますし、果汁や油脂を絞るときなどに使う圧搾機も文字通り圧力が必要です。
また、アナログレコードは溝が刻まれた原盤に樹脂を押し当てて複製します。この名残で、CDやDVDなどの製造工程もプレスと呼んでいます。
印刷機はもともと、インクをつけた版に紙などを押し付ける機械でした。そのため、印刷や、印刷されたものをプレスと言います。さらに、その印刷物に掲載される内容に関わる人たちもプレスと呼ばれるのです。
「プレス」の使い方
1.押さえつける
1の意味の「プレス」は、サッカーやバスケットボールなどで相手に圧力をかけること、押し上げるという意味で「ベンチ・プレス」のような複合語として用いられます。
また、「プレス」の派生語の「プレッシャー(presser)」は、精神的負荷といった意味でも使われますね。
【例文】
- ゲームの後半になって、相手からのプレスが弱まった。
- 明日はベンチ・プレスの負荷を10kg増やしてみよう。
- 新しいプロジェクトを任されて、プレッシャーに押しつぶされそうだ。
2.アイロンをかける
2の意味の「プレス」は、家庭でアイロンをかけることよりも、クリーニング店などでアイロン掛けしてもらうときに使うケースが多いようです。
【例文】
- 多くのクリーニング店では、ワイシャツのプレスに、専用のプレス機とアイロンとを併用している。
- 近頃は、カジュアルなズボンにもセンタープレス(中央に1本折り目をつけること)してあるものもある。
3.圧力をかける機械
【例文】
- 収集された空き缶は、この工場でプレスされてブロック状に固められる。
- 最近では、コールドプレスで作ったジュースが話題となっている。(コールドプレスジュース:低速回転のジューサーで破砕した果実に、圧力を加えて絞ったジュース)
4.レコードなどの複製
【例文】
- このレコードは初回プレス盤なので、今ではプレミアが付いている。
- ここの会社ではCDのプレスを小ロットから引き受けてくれる。
5.印刷・印刷物
5の意味の「プレス」は、印刷物という意味ですから、「○○○プレス」のような新聞、出版社の名前としてもよく用いられますね。
また、行政や企業などが広報のために行う公式発表のことをプレスリリースといいますね。本来は報道記者向けの発表や発表資料の印刷物の意味ですが、現在では、インターネットで一般に広く発表されるものも含みます。
【例文】
- 会見に詰め掛けた記者たちにプレスリリースが配られた。
- プレスリリースが必ずしも新聞で記事にしてもらえるとは限らない。
6.報道担当者
オリンピックなどの報道関係者の拠点をプレスセンターと呼ぶことがありますね。また、ファッション雑誌の記者のことをファッションプレスと言うこともあります。6の意味の「プレス」は、身近な話題にも登場する言葉です。
【例文】
- ここから先のエリアに入るにはプレスパス(記者用の身分証)が必要だ。
- 今回の新製品について、そろそろプレス担当から発表があるだろう。