「合点がいく」とは
「合点がいく」は、「合点」+「いく」の二つの言葉から成り立っています。まず、「合点」から見ていきましょう。
「合点」とは
「合点(がってん)」には以下のような意味があります。
- 和歌などを批評して佳いものに点などを付けること。
- 回状などに承知の意を表すために自分の名の肩に点を付けること
- 承知・承諾
現代で使われているのは、おもに、「承知・承諾」といった意味です。「合点」は、NHK総合テレビで放送されていた生活情報番組『ためしてガッテン』というタイトルにも使われていましたね。
時代劇などのセリフで登場する「合点だ(承知した・任せておけ)」「合点承知(心得た・任せておけ)」などでも聞くことがあります。
「合点がいく」の意味・読み方
「合点がいく」とは「納得がいく・承知する・うなずける」などの意味があります。「合点」の一語とほぼ同じ意味ですね。
また、「合点がいく」を読む場合、一般的には「がてんがいく」と読む場合が多いようです。元々は「がってんがいく」と読まれていたので、この読み方も間違えではありません。
「合点がいく」の使い方
- どうしても納得がいかない採点だったが、先生の説明で合点がいった。
- 宿題を忘れた理由を彼から聞いたが、とても合点がいくものではなかった。
例文1は肯定文として使う場合、2は否定語を組み合わせて使う場合で、1よりも2のように用いるケースが多いようです。
「合点がいく」の類義語
「納得がいく」
「納得がいく」は「承知すること・なるほどと認めること」を指します。「合点がいく」とほぼ同じ意味です。
(例文)
- 私の失敗に対する彼の意見は納得がいくものであった。
- 会社の釈明にはどうも納得がいかない。
「腑に落ちる」
「腑に落ちる」とは「合点がいく・納得できる」という意味です。一般的には否定形である「腑に落ちない」がよく使用されます。
(例文)
- 彼の最近の行動は腑に落ちない点がたくさんある。
- なぜ彼ばかりが優遇されるのか腑に落ちない。
「腹に落ちる」
「腹に落ちる」とは「納得する・合点がいく」という意味です。一般的には「腹落ち」と短くした形で使われます。
(例文)
- 彼の意見は、クラスのみんなの腹に落ちした。
- そのようなプレゼンでは誰も腹落ちしないよ。
「合点」を含む言葉
「早合点」
「早合点(はやがてん)」は「早い」+「合点」で成り立っています。意味は「早まって合点すること・よく知らないでわかったつもりになること」です。
文章中では「早合点して~に失敗した」「早合点して恥ずかしい目にあった」など、マイナスな表現で使用されることが多い言葉です。
(例文)
- 彼女はどうも早合点する質(たち)だから、よく言って聞かせないと。
- 最後まで彼の説明を聞かずに早合点してしまった。
「合点承知の助」
「合点承知の助(がってんしょうちのすけ)」は江戸っ子の言葉で「承知した・任せておけ」といった意味があります。
「合点承知」だけで意味は十分通じますが、「の助」を付けることで擬人化させた一種の洒落ですね。おもに、気心の知れた友人相手に使うフランクな表現です。
「合点がいく」を英語で表現
英語で表す場合、「合点がいく」は「make sense(納得できる・辻褄が合う)」などが適しています。
- I couldn't understand the grade,but the teacher's explanation make my sense.(私はその採点を理解できなかったが、先生の説明は納得できた→どうしても納得がいかない採点だったが、先生の説明で合点がいった。)
- I asked him why he forget his homework,but it didn't make any sense.(私は彼に宿題を忘れる訳を尋ねたが、納得できなかった→宿題を忘れた理由を彼から聞いたが、とても合点がいくものではなかった。)