「小並感」の意味は?
「小並感」とは、「小学生並みの感想」を略したネットスラングで、主にSNSや匿名掲示板など、インターネット上のカジュアルなシーンで流行の言葉です。
何かに感動して感想を述べようとした時、「とにかく凄かった!」「面白かった!」など、とてもシンプルな感想になってしまったことがある人、また、誰かからシンプルすぎる感想を述べられて返答に困った経験がある人も多いのではないでしょうか?「小並感」は、そのような感想に対する定番ツッコミのひとつです。
「小並感」の使い方
さて、この「小並感」は、基本的にはカッコで挟み、「(小並感)」として、使う言葉です。たとえば、何かに感動し、その感動をSNSに書こうとしたら、自分の感想文があまりにもシンプルになってしまった!そんな時、自分で自分の感想の文末にこの「小並感」を()に挟んで置くことで、ちょっとした照れ隠しをすることが出来ます。
例1.自分「こういうことがあって、とにかく凄かったんだよ!(小並感)」
また、近しい他人のそのようなあまりにもシンプルな感想文をからかうような意味で、コメントとして使うことも出来ます。
例2.友人「これが、もう、ものすごく面白かったんだよ!」。自分「(小並感)」
このように、他人に対して使う時は少々辛辣な合いの手となりますので、相手との間柄や場面を慎重に選ぶことが重要です。
「小並感」の発祥は?元ネタを解説
そもそも、なぜこんな略語が生まれたのでしょうか?そのルーツは、インターネット上で根強い人気を誇る日本製のゲイビデオ『真夏の夜の淫夢』にあります。
『真夏の夜の淫夢』また「淫夢シリーズ」と呼ばれるビデオ群は、シナリオ展開やキャストの個性など独特の魅力によって、ゲイビデオ本来の視聴者層以外からも親しまれており、作品内の台詞や視聴者のコメントから多数の名(迷)言を生み出しています。
このシリーズ、またこのシリーズの代表的な出演者の関連作品から生まれたネットスラングは俗に「淫夢語録」と呼ばれており、「小並感」もこの「淫夢語録」のひとつと言えるでしょう。
具体的には、この『真夏の夜の淫夢』の出演者の一人が、とあるインタビューを受けて発した「最後が気持ちよかった」という極めてシンプルな感想に対して、視聴者から寄せられた「(小学生並みの感想)」というコメントが大元です。この的確なツッコミのコメントが共感を集め、視聴者の間で省略されながら、やがて匿名掲示板等を通じてインターネット全体に広まっていったと考えられます。
「小並感」の読み方と派生語
このような経緯で、今ではインターネット上で広く使われるようになった「小並感」。これを更に略して「小並」とだけ書かれることもありますが、発祥が発祥だけに、いずれも正しい読み方は存在しません。
元の「小学生並みの感想」に忠実に省略するのであれば「しょうなみ/しょうなみかん」となりますが、字面と語呂から「こなみ/こなみかん」と読まれることも多く、またこれらの読み方に更に別の字を宛てたものも多く存在します。
たとえば、音楽ゲームなどで有名なゲームメーカー「KONAMI(コナミ)」を宛てた「KONAMI感」、またこの「KONAMI」を更に(主に批判的な意図で)読み替えた「コンマイ」という言葉を宛てて「コンマイ感」。また、「こなみかん」という語呂から派生して「粉みかん」など、派生語は多岐にわたります。
「小並感」の関連語
最後に、「小並感」の他に、一般にも広まりつつある「淫夢語録」をいくつかご紹介します。使う時は、時と場面、そして相手に応じて上手に使って場をなごませましょう!
「草不可避」
視聴者のコメントから発生。インターネット上で「(笑)」を表す「w」が「草」に見えるということから、「笑いを禁じ得ない」という意味を持ちます。
「こマ?」「そマ?」
とんでもない展開に対する視聴者のコメントから発生。それぞれ「これマジ?」「それマジ?」の略。
「ありがとナス」
キャストの台詞から発生。御礼を言いたい時に使えます。
「あっ…(察し)」
キャストの台詞に視聴者が宛てたコメントから発生。何かを察した時に。
「~しよう(提案)」
同上。この他にも文末に「()」で注釈を挟む形が多数確認されています。例「(困惑)」など。